今日の漢字384は「雲」。果たして雲海は見れたのか
今日の漢字は「雲」。暗雲、雨雲、積乱雲、うろこ雲、雲丹、雲散霧消、雲泥の差、北条早雲、雲仙普賢岳。
雲海を見るならトマムと言われるくらい、北海道で有名になった雲海スポット。
トマムは占冠村にある北海道のほぼ中心、日高山脈の懐に位置するスキーリゾート。このスキー場の麓からゴンドラに乗って頂上に行くと、雲海が眺められる雲海テラスがある。
インターネットなどでアップされている写真を見ると、眼下には大海原にゆらゆらと漂流する白い雲、頭上のはるか上には煌々と輝く太陽があり、とても幻想的な雰囲気が伝わってくる。しかし夏の時期、雲海が発生する確率は平均40%程度だという。
わたしたち家族3人が札幌からトマムへ日帰り旅行したのは、5年前のちょうど8月のお盆時期。朝早く起きて車をぶっとばし、札幌から1時間半でトマムに到着。夏休み中ということもあり、大勢の家族連れやカップルで溢れていた。朝早くからゴンドラ駅は長蛇の列。アジア系の外国人も多い。30分ほど待ってようやくゴンドラに乗車。
頂上では、雲海を見ようとする多くの客でごった返していた。8月の北海道は爽やかで快適な気候。冬はマイナス20℃を軽く下回るトマムも、夏は本当に過ごしやすい。
山頂は雲海見学には絶好の日和。軽食を販売するカフェテラスがあり、われわれ3人はそこで温かいスープを飲みながら、雲海の出現を待った。
しかし待てど暮らせど肝心の雲海は姿を現さず。天気が良すぎたせいか、山頂からは山麓のホテル群がはっきりと見渡せるくらい視界良好。雲海も現れず、スープも飲み終えると、他にすることがなくなった。中学生の息子も飽きてきたのか、手持ち無沙汰であった。
トータル1時間ほど粘ったが、結局諦めてゴンドラで下山することとなり、残念な初雲海ツアーでとなった。
トマムはバブル華やかなりし平成初期に造られたスキーリゾート。何もない山岳地帯に超高層ホテルが4棟林立し、異様な光景が広がる。しかしバブル崩壊とともに日本企業が経営から手を引き、現在は中国人が経営している。新千歳空港からJRや高速道路のアクセスも良く、最近は開発が飽和気味のニセコに継ぐ開発地域としての期待が持たれている。
雲海テラスは、中国人経営者からの委託を受け、リゾート運営を手がける星野リゾートのゴンドラ保守スタッフが、夏の集客アイデアで思いついた企画。
彼らには日常であたり前に見える雲海が、実は大きな観光資源になるという発想は、他のビジネスにも大きなヒントになるかもしれない。
洞窟の奥底にある鉱石が、金の鉱脈と思うか、単なる岩石と思うか。そうした鉱脈に気づくかどうかは、当たり前を当たり前と思わない柔軟な発想と、素直に物事を受け止める姿勢にかかっていると思う。
次回のトマム訪問時には、40%の確率を打破する雲海見学成功を目指したい。