笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字383

今日の漢字は「麦」。麦芽、小麦、ライ麦、冷や麦、門脇麦

    麦といえば真っ先に浮かぶのは麦酒、いわゆるビール。

    私は数年前に酒をやめたので、ビールを飲むことは無くなったが、以前は大好きな飲み物であった。「ビールの無い人生なんて味気ない」と当時は思っていたものだが、やめた今となっては何とも思わないから不思議である。いかに日々いろいろな習慣に左右されてるかがよくわかる。脳も実のところ、さほど美味しくないビールが美味しいものだと刷り込まれて騙されていたのだ。要するに酒は麻薬と同じなのかもしれない。

 

 コロナウイルス感染拡大の影響による休業要請で、ビールの消費も激減。まだ第三のビールやチューハイの類の減少はそうでもないが、ビールの減り幅は大きく、ひとり負け状態。巣ごもり消費や、オンライン飲み会も盛況ではあるが、居酒屋での需要急減の影響は、ビールが一番受けているのかもしれない。

 

   ところでビールは4大メーカーが群雄割拠の争いを繰り広げているが、不満が2つある。

     まずひとつ目。どうして次から次とこうも新製品を出しては消えるのか。飲料業界には「せんみつ」(1000個出してもヒットするのは3つ)と言われるジンクスがあるようだが、それにしてもビールの粗製乱造は異常である。

    消えた銘柄を消費者がどれくらい覚えているか。記憶にも残らないくらいあっさりと撤退している例が多い。一例を挙げれば、アサヒビールの富士山、マスター、シルキー、キリンのザ・ゴールド、ストロングセブンなどなど。枚挙にいとまがない。

    出ては消え、出しては消え。全く定着しない。というより消費者を馬鹿にしている。

 アサヒスーパードライキリン一番搾りのように、安泰で販売堅調な主力ブランドはさておき、それに続く第2ブランドのヒット商品を生み出すための開発に、各メーカーとも余念がない。しかし、各社ともトップブランドが強すぎて、2番手ブランドが定着しない。加えて発泡酒第三のビールも続々新商品で訳がわからない。別にビールに多品種は必要なく、1社1種類1銘柄で十分だと思うのは私だけだろうか。

   

    そういえばいつの間にかサントリーのモルツも店頭から消えた。サントリーは、第三のビールの金麦が売り上げ好調ということもあるのか、ビールの販売をプレミアムモルツ1本に絞る戦略に変えたのだろか。最近では発泡酒「ブルー」が発売され、川口春菜が旨そうに飲むCMがオンエアされたばかり。ブルーもヒットするのか、今後定点観測してみたい。

 

   あとひとつ気になるのはCM。

 コロナウイルス感染拡大で購買意欲が大きく落ち込むなか、そんなのは関係ないとばかりに、連日のようにビール、第三のビールのTVCMが流れている。私はうんざりなのだが、どのCMを見ても、女性タレントらが「うまい。幸せ」とうなるものばかり。

   満島ひかり田中みな実石田ゆり子石原さとみ。20代前半ではなく、30代前半~40代の仕事する女性がターゲットと思われる。似たようなタレントが出てきて、どのメーカーのビールかさっぱり分からない。

   

    本当はビール離れが進む20代若者をターゲットとすべきなのだろうが、端から諦めているのか。実際20代の我が子たちはビールを全く飲まず、もっぱらチューハイである。

   毎月相当な広告費をかけてCMを流しているのだろうが、販売促進費を少しでもビールの値段を安くする原資に振り分けもらえないかと考えるのが、消費者心理だと思う。4大メーカーが結託して価格操作しているのではと穿った見方をしてしまう。

 これだけ第三のビールやチューハイ類が売れるのも、ビールの値段の高さも関係していると思う。いい加減タレントが飲むシーンを止めて、ビールが全く出てこないような、斬新なCMを期待するのは無理だろうか。何十年もあいもかわらずビールを飲むシーンが流れるCMは、昭和時代の成功体験を引きずった遺産としか思えない。

   とは言うものの、かみさんが旨そうに飲むビールを冷たい目で見つつ、ビールのCMに文句をつける、酒の消費には全く役立たない単なるオヤジの戯言ではあるが。

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これからの季節はざる蕎麦だ