笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字1025は「破」。破天荒なユーチューブをどうしても見てしまう

今日の漢字は「破」。破壊、爆破、破滅、破棄、撃破、論破、読破。

 

 ユーチューブと地上波民放番組の視聴割合を見ると、明らかにユーチューブの方が高い。私が見ているのはサッカー解説動画と書評動画(本を紹介する動画)。これに加え最近では、「鎌倉殿の13人」解説動画が新たに加わった。結果として、ほぼ毎日ユーチューブを視る習慣になっている。一方地上波はというと、視聴習慣のある番組は皆無。唯一日曜20時の大河ドラマだけでそれ以外、バラエティもドラマもほぼ見ない。夕飯時には大抵テレビを点けてご飯を食べるが、チャンネルをザッピングしても、面白そうな番組を放送していない。「今日もつまらないテレビばかり」とため息をついているのである。

 

 テレビ番組がつまらなくなったと言われているが、テレビがつまらないのではなく、ユーチューブが面白いと言った方が正解だろう。ユーチューブには個性的な番組が多く、手を変え品を変えたコンテンツで視聴者を魅了する。アイデアも豊富でかつ自由。しかも最近は「単に面白い」番組ばかりではなく、教養系も充実してきた。大河ドラマ解説チャンネルも、鎌倉幕府創設までの歴史の流れをドラマと並行して解説しているからわかりやすい。ただ漫然と大河ドラマを見るのではなく、ユーチューブで予習復習して見るので記憶に残りやすい。オリラジ中田の歴史チャンネルは400万人のチャンネル登録者がいて、おばけ番組と化している。

 

 ユーチューブがいいのは、専門性に特化した作りができること。深く掘り下げ、いわばマニア的に見たい、学びたい人のニーズを満たしている。一方地上波の番組は総花的で万人向けに作られているから、どうしても広く浅くに偏る。しかも最近はどこのテレビ局も予算が苦しいのか、じっくり取材をして作り込むことがなく、すべてが予定調和。コンプライアンスも厳しいから無難な作りとなる。だからスタジオでのタレントの「どうでもいい」他愛もないアドリブに頼らざるを得ない。いわばレベルが低下しているのである。

 

 視聴者はそんな安易な作りに嫌気がさし、刺激もない地上波を見るより、ユーチューバーの破天荒なふるまいや学びに刺激を受け、そちらにチャンネルを合わせてしまう。幕の内弁当よりも、自分でチョイスできるアラカルトに嗜好が移っている。これは百貨店とユニクロの関係と同じ構造。さまざまな商品を取り揃えたデパート(地上波)ではなく、専門店で商品を購入する形態(ユーチューブ)が、映像娯楽の世界でも起こっていると言えよう。

 

 テレビ局が自由に発信できない情報をユーチューバーが自由に発信していく風潮において、バラエティという分野では、もはやテレビ局に勝ち目はない。若者が圧倒的に面白いユーチューブに行く流れをもはや食い止めることはできないだろう。

 

 テレビ局が勝てるとすれば報道番組とスポーツ中継。その取材力や中継力では圧倒できる。報道として一次情報をしっかりとお茶の間に届けたり、生放送のスポーツを届けられる力がテレビ局にはある。各局が自らの強みを認識し、差別化、細分化、専門家していくことで、個別の視聴者を囲い込んでいくのではないかと感じている。



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宿敵を破るのは気持ちがいい