笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字794は「網」。網走監獄は見所満載

 今日の漢字は「網」。網羅、網棚、交通網、捜査網。

 

   道東の町、網走市オホーツク海に面する流氷の町で、漁業が主な産業である。それ以上に有名なのは、網走刑務所であろう。北の最果ての刑務に所は、全国から重罪人が送り込まれてくる。高齢者は、高倉健が主役を演じた映画「網走番外地」を思い出す人が多いと思う。(私は見たことはないが)

 

    網走刑務所は町中にあるが、当然ながら見学はできない。そこで「刑務所の町」を売り出すべく、古い時代の刑務所の建物が市の郊外に移築されて「網走監獄」として観光用に一般公開している。

 

    そのメインの施設は、刑務所の独房(ホームページでは舎房)。刑務所は縦に5つの独房の建物が放射状に並んでいて、真ん中に受刑者を監視する監視塔(見張り所)がある。

    独房は狭くて2畳ほどの広さ。ここに何ヶ月も収監されることを思うと、頭がおかしくなりそうになる。独房に暖房はあったとは思えず、冬はマイナス20度にはなるから、過酷な状態だったかもしれない。

 

   今はどうかわからないが、希望をすれば、ここに宿泊できるようである。独房に宿泊する人などいるかどうかはわからないが、変り者はいるのかもしれない。

 

    他の展示室には、歴史展示とともに、ところどころに囚人の人形が置いてあり、リアルさを際立たせている。

    明治期は前人未踏の北海道を開拓する必要があり、囚人は道路建設に携わった。道央方面から道東方面に道路を作るとなると、高い山々が続く日高山脈に道路を貫通しなければならない。ほとんど人力での作業であったから、作業は過酷を極めたであろう。そんな道路建設の風景が腰縄などをはめられた囚人たちの人形で表現されていて、痛ましさが募る。

 

    しかし展示内容には、ほっとするものもある。そのひとつが浴場。囚人たちが入浴するシーンが人形で再現されていて、微笑ましい。お風呂に浸かることは、疲労を癒す囚人たちの唯一の娯楽。人形には背中に刺青がある者もいて、妙にリアルである。

    また、休泊所という、簡易宿泊所もあり、掘っ立て小屋に「むしろ」を敷いて寝泊まりする囚人の人形もある。

 

    また、園内には、観光客が利用する食堂があるが、囚人たちが食べた「監獄食」が再現され、有料で食べられる。私が行った時は食堂が込んでいたため、食べることは叶わなかったが、網走監獄のホームぺージを見ると、監獄定食Aがサンマ(800円)定食Bがホッケ(900円)となっている。

 

    見学は正味2時間もあれば終わる。網走には、この他の観光施設として、1年中流氷が体験できる「流氷館」という施設があり、網走の2大観光施設のひとつ。ここは夏でもマイナス10℃の中で、流氷を見ることができる。インバウンド華やかな頃は、こちらの流氷館は大人気だったが、日本人には網走監獄の方がお勧めだと個人的に思う。機会があればぜひ訪問してほしい施設である。

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北海道ローカルの釧網線は味がある