今日の漢字793は「抗」。年齢に抵抗するタキミカさんは凄い

今日の漢字は「抗」。抗議、抵抗、反抗、抗争。

最近テレビで見かける人に「タキミカ」さんがいる。本名瀧島美香さん。齢90歳のインストラクターである。CMでストレッチをする姿を見た方もいるのではないか。今も月２回、生徒にストレッチをスポーツクラブで教えている。

そのタキミカさんが「徹子の部屋」に出ていた。素人の方が有名番組に出て、黒柳徹子氏からインタビューを受けるのは栄誉なこと。それくらい注目を浴びているから凄いことだと思う。インタビューで彼女が明かすには、65歳の時に60キロ近く太っていたがため、ダイエット目的で運動や筋トレを初めたとのこと。それが25年間続き、今はその時よりも15キロ瘠せたという。何よりもとにかく黒柳氏との受け答えもしっかりしていて、とても90歳には見えない。表情もとても若若しく、しわくちゃばあちゃんの面影など全く無い。普通は90歳なら、体にガタがくるのも当然だし、認知症になる可能性もある。そんなことを微塵も感じさせない、まさに矍鑠としたスーパーおばあちゃんである。

彼女は言う「年齢は数字にすぎない」。なかなかこの言葉は言えない。我々は、まず「90歳」と聞いた瞬間、「あー高齢なおばあちゃんだ」と自然と反応する。つまり90という数字で既にその人を「ご老人」「腰が曲がっている」「ひょっとしたら寝たきりや認知症ではないか」と見てしまう。しかし当のタキミカさんを見ると、とても老人には見えない。だから年齢は単なる数字であって、年齢で人の風貌やイメージを決めるものではないと彼女は言いたいのだ。黒柳氏から「夢は何ですか」と聞かれタキミカさんは、「外国に行ってインストラクターをしたい。だから今、英語を習っているんですよ」としれっと答えた。90歳になってから英語を学ぶというそのポジティブさ。しかも９０歳になっても飛行機に乗って海外に行く夢と行動力。そのアクティブさと前向きさ、チャレンジしようという精神は、後期高齢者の鏡のような存在である。

最後に彼女は言う。「何事も諦めてはいけません」。仰せの通り。「高齢だから」「老人だから」と最初から諦めることなく、前向きにコツコツと努力したからこそ今がある。90歳になっても、ボケずに健康でいられることがいかに素晴らしいことか。年齢に抵抗して自分のやりたいことやる。人生を楽しむ一つの生き方を示しているように思う。

松岡修造氏から「諦めるな」と言われても、「ふーん。成功した人に言われたくないわ」と反発しそうだが、65歳からのチャレンジで「諦めるな」と言われるのは説得力がある。

ここまで具体的な指南者がいるのだから、今からでも遅くはない。騙されたと思って今日から筋トレしよう。