笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字379

今日の漢字は沼。湖沼、沼地、泥沼、沼沢、魚沼市上沼恵美子。沼は、大地のくぼみに水が溜まった状態。湖よりは浅い地形。

    先月4月17日にJR北海道札沼線が廃止となった。

    札幌の桑園駅と、空知地方の樺戸郡新十津川村を結ぶ全長76キロのうち、北海道医療大学までの約30キロを学園都市線として残し、それから北に行く路線を廃止した。

    大学生が通う北海道医療大学までは需要があるが、そこから先はほとんど乗客がいない超赤字路線であったから、JRの経営判断は正しいと思う。

 

    札沼線は本来、新十津川からさらに北に延びて雨竜郡沼田町の石狩沼田駅までを結んでいたが、そこはⅠ972年に廃止。名前だけ「沼」が残った形で存続してきた。

   新十津川まで行く電車は1日1本。最後は多くの鉄道マニアが押し寄せて盛況だったようだが、1日1本では商売にならない。ちなみに新十津川村は奈良県十津川村からの移住者が作った町。札幌市の南に位置する北広島市と並んで入植の歴史を村名から垣間見ることができる。

 

    JR北海道赤字ローカル線の惨状は目を覆うばかりであり、経営は厳しい。経営体力回復のためには、走れば赤字の路線を当然のごとく切り捨てたいところだが、鉄路を存続させたい沿線自治体との綱引きもあり、廃止はひと筋縄ではいかない。バスによる代行輸送といっても、北海道は積雪が多いため、JRの提案に対し、自治体の首長たちは首を縦に振れない事情もある。

   ある評論家が、「高速道路や一般道の建設費などは税金で賄っているのに、鉄道が民間任せなのはおかしい。鉄道の維持にも税金を投入すべきだ」と言っていた。

    確かに道路網が整備されると、マイカーの利用者が増えたり、高速バスとの競争に晒される訳であり、JRが不利になるのは目に見えている。私も鉄路維持への税金投入に賛成で、道路税の一部を税金を投入してもいいと思う。しかし一番いいのは、既に株式上場を果たし、JRの中では優等生であるJR東日本と合併することだと思う。

    JR北海道が今後活路を見出すとすれば、大都市近郊路線の強化と、観光に特化した鉄路の活用、さらには北広島にできる日本ハム球団のボールパークによる輸送力向上がある。

   しかし新型コロナウイルスの影響で、本業の鉄道事業は大逆風で、今は観光列車どころではない。JRの主力事業になりつつあるホテル事業も大打撃を受けており、先行きは不透明である。

 

    しかし何とか地元の足の確保すべく、ここが踏ん張りどころ。2030年には新幹線の札幌延伸もあり、ニセ鉄道ヲタクの私としても、JRには元気に経営してもらいたいというのが本音である。

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「鎮守の沼にも蛇は棲む」~悪人はどの場所にもいるということ