今日の漢字705は「卵」。卵は精力増強に最高だ
今日の漢字は「卵」。鶏卵、卵黄、卵巣、排卵。
物価の優等生という言葉がある。デフレの時代と言いながら物価がじわじわと上がる時代に、値上がりすることもなく、ほぼ一定の値段を維持しているもの。
卵、納豆、バナナなどはその最たるもの。消費税が10パーセントとなり、消費者にとって食料品の値上がりはボデーブローのように効いてくるから、商品の価格が安定しているのは本当に助かる。
そんな卵にまつわる思い出をひとつ。
新入社員の頃の2次会でのこと。何人かで飲んでいたのだが、何かの拍子で私の発言が先輩の逆鱗に触れた。先輩は酔った勢いもあり烈火のごとく怒り出し、なぜか私に罰ゲームを命じた。
今ならパワハラ行為でアウトだが、当時はそんな雰囲気でもなく、私も拒否できるものではない。
指示された罰ゲームは、生卵を飲むこと。しかも3個一気にである。
私は半べそ状態で指示に従わざるを得なかった。
ホステスが卵を3つ持ってきて、殻を割ってビールジョッキに入れ、箸で溶き始めた。
先輩は凄んで「全部飲めよ」。私は無言。再び先輩「ロッキーも飲んだろが」
そうか。映画「ロッキー」でシルベスタースタローンがトレーニング後に卵を5個割って、シェイクして飲むシーンがあった。先輩はそれを真似せよと命令したのだ。
ホステスは緊張する私に向かい「醤油を少したらしたらおいしいわよ」と言ってカウンターの奥から醤油を持ってきて卵に少したらせた。私は心の中で「ここにご飯があれば最高なんだけど」と思ったが、口には出せない。
私は醤油で味付けされた3個分の卵を、目をつむりながゴクゴクと飲んだ。
35歳を超えて健康診断でバリウムを飲むことが多いが、このバリウムと生卵どちらがいいかと問われれば、私は有無を言わさずバリウムと答える。30年以上前の出来事なのに、今でも記憶に残る生卵の一気飲みは、後にも先にもこの一度しかないが、もう二度とそんなものは飲みたくない。それくらい気持ちの悪い飲み物であった。生卵は、ご飯にまぜたり、すき焼きと一緒に食べるから美味いのであり、そのまま飲み込むのは尋常な行為ではない。
何とか卵を飲み干したものの、後味は最悪。醤油がかかっていたから、少し塩分が舌に残ったが、何とも言えない後味の悪さであった。
そのあと、気持ち悪さを消すべく、ウイスキーの水割を浴びるように飲んだが、その後は酔いも冷め、すっかり白けた気分に。早く飲み会が終わることを祈っていた。
ようやくお開きとなり、あーやれやれと寮に戻った。明日は土曜日、ゆっくり休みもうと爆睡した。
次の日。二日酔い気味で目が覚めたが、下半身の息子が元気で「ビンビン」状態。そうか、卵は元々精力がつくものとして重宝されてきたものだし、昨日3つも卵を飲めばそれも当たり前か。スタローンがトレーニングで5個も卵を一気に飲んだこともストーリー上は理にかなっていたのだと一人納得した。
卵よ恐るべし。卵はやはり精力増強の最強フードなのであった。