笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字691は「威」。昔話で威張ってはいけない

今日の漢字は「威」。威圧、威力、猛威、権威、威勢。

 

    昔の自慢話をする人は多い。聞き手は「何回聞いたその話」となる。特に上司や年配者が混じった居酒屋などでは、そうしたシーンがほぼ毎日どこかで展開されているように思う。

「俺の若い頃は・・」で始まる上司のお決まりの昭和回顧のシーンは、それが初めての告白で、かつ指導的要素が多く有意義な話であれば、積極的に聞く動機にもなる。しかし今まで何度も繰り返された昔の自慢話が、酔った勢いとともに、繰り出されると、「あーまた始まった」とため息に変わる。目下の人たちは、その瞬間、「あーまた無駄な時間を過ごさねばならないのか」といたたまれなくなる。逆に意を決して、「その話、前も聞きましたよ」と正面突破で言おうものなら、「何だ、俺の話を聞けないというのか。折角君の将来を思ってアドバイスしてあげようとしているのに」と輪をかけて説教される危険性もある。昔話とは、なかなか厄介である。

 

   なぜ昔の自慢話するのか。それは他に話題にするネタがないためでもある。

   その人はいわゆる向上心がない人。あるところで止まってしまい、もうそれ以上向上する気がない。だから過去の栄光ばかり振り返る。

 

   どこまで上っても、さらに上を見て上っていける人は、後ろを振り返ってくどくどと昔話をするものではない。

   いくら偉い地位にいたとしても、向上心もなく、努力もなく、ただ威張っているような人は、周囲に尊敬されない。尊敬されないのだが、本人は尊敬されたくてしょうがないので、昔の話を引っ張り出してきて、自慢をする。

 

   例えば、「俺の若い頃は残業しても足りず、徹夜して会社に寝泊まりしたものだ」とか、「バブルの頃はお客さんの接待で毎日銀座で飲まされたもんだ。よく続いたと思うよ」など、今は経験したくてもできないことを、自分の武勇伝として自慢する。ある意味羨望の眼差しで見られたいのだ。

 

   人間は成長がないと老け込むのは早い。歳をとっても新しいことに挑戦し続ける人は、見た目も若くて輝いている。昔話を延々とする人は、年齢より老けて見えるものである。

   政治家を見ていると、過去の実績を振り返ることはあっても、後ろ向きではない。前向きなメッセージを発しないと、選挙で負けてしまう。過去の実績を強調するよりも、次の4年間(参議院は6年間)が大事である。だから政治家は常に前を見ているから概してみなエネルギッシュで、かつ脂ぎっている。向上心をもつ典型ともいえる職業である。

   我々もある意味、威張って昔話にばかり華を咲かせるのではなく、明日を見据えた会話を心がけた方がいいのかもしれない。(参考文献:外見だけで人を見抜く技術)

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権威に屈してはいけない