今日の漢字589は「慢」。自慢話はせずに、人の話を聞こう
今日の漢字は「慢」。自慢、傲慢、怠慢、高慢、我慢。
話し上手は聞き上手という。
相手に気持ち良く喋ってもらうとすると、相手はまたその人と喋りたい気分になる。だから聞き上手な人はモテるという。口がひとつで耳がふたつということは、人の話を良く聞けということ。かみさんからよく「人の話を聞いていないと」指摘されるが、自省しなければいけない。
人間は自分一番が好き。次に自分のことを理解してくれる人が好き。
著述家の川北義則「一流の人の話し方」で、円滑な会話のためには、聞く6割、話す3割、沈黙1割だとする。それくらい聞くということは大切なことなのである。
しかしほとんどの人は、自分が一番可愛いから、自分のことを話そうとする。人の話題もいつの間にか自分の話題や自慢話に転換して鼻白むパターン。
「自慢話が好きなのは自分だけ」と川北氏は確信を突いた指摘をしている。
同じく著述家の中島孝志は「笑わせる技術」で、自慢話は周囲を白けさせるから気をつけろという なぜならば人間には嫉妬心があるから。自慢話を聞かされている当の本人は面白くも何ともない。
逆に自分から一歩下ったり、一段落として自らを貶め、笑われるくらい馬鹿な話をするといいという。なぜそれがいいかと言えば、聞かされた相手が優越感を感じて安心するからだ。
一度会社の関係で、こちらがお客さんの某社の接待を受けたことがあるが、先方の部長は、ずっと自分のことを喋り続け、自慢話のオンパレード。こちらに話を振ることすらなかった。私たちと会話のキャッチボールをするのではなく、部長の投げ込むピッチングをひたすら補球するキャッチャーに成り下がった。まさに独壇場の演説をひたすら聞かされているようなものだった。
会食のあとも違和感と消不良感が残り、はっきり言ってつまらなかった。一緒に同席した同僚は「接待する側が喋り続ける部長さんて初めて見ました」と苦笑していた。
結果、聞き上手、相槌上手の人にこそ人が集まってくる。その点、明石家さんまは聞き上手。「踊るさんま御殿」などを見ていても、彼はほとんど聞き役。適度に質問をして芸人を主役にし、気持ち良くトークさせ、人柄をうまく引き出す。芸人も時に自慢が鼻につく場合があるが、さんまがうまく毒を消し、笑いに変えるなどしてうまく差配している。しかも自分はでしゃばらない。番組はそうした雰囲気が心地良く映る。さんまは相槌名人であり、彼の振る舞いはとても参考になる。
さて、相槌名人になるために
共感型:へえ、ほう
賞賛型:凄い、さすが
驚嘆型:驚きですね
催促型:それで? といいますと
謙遜型:勉強になります
復唱型:オウム返し
とにかく話し手の気持ちに共感してあげること。
そしてニコニコして朗らかに。
人の話をきちんと真摯に聞き、でしゃばらず、人が寄ってくる人を目指そう。