笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字594は「褒」。日本人の褒め力の欠如を嘆く

今日の漢字は「褒」。褒章、褒美、毀誉褒貶。

 

日本人は絶望的に褒め力が欠如しているという。

 

「世界一孤独なオジサン」(岡本純子)に、日本人の褒め力の欠如を嘆くくだりがある。

 

    アメリカ人と比べると、日本人は基本的に「褒め下手」。アメリカは子供の頃から褒めて育てる文化なので、「子供を褒める100の言葉」といったリストが山のようにある。

 

   例えば日本語の「凄い」だけで、

Super,Amazing,Fantastic,Marvelous,Brilliant,Excellent,Wonderfull,Greatなど、50種類以上の言い方がある。

 

    日本語で「凄い」に変わる言葉は「素晴らしい」「さすが」「良くできた」「いいねえ」くらい。若年層でも「やるじゃん」「やばい」と、褒める語彙が少ない。

 

    キリスト教には「神をたたえる、賛美する」という習慣があり、お祈りや賛美歌でも、褒めて、ほめて、ホメまくる。「あなたは偉大」「あなたこそ真の王」など延々と礼賛の言葉が続く。そうした文化においては、人を賞賛することへの抵抗感がないのかもしれない。確かにハリウッド映画などを見ても、家族やカップル間の会話で自然と上の褒め言葉が使われているような気がする。

 

    さらにアメリカでは日常生活や職場でも社員同士が褒め合い、認め合っているという。「Great」「ありがとう」「感心するよ」。常に細かく声を掛け合い、お互いの存在価値を認める。

 

褒め言葉を人間関係を良好にするための最高の潤滑油にしている。

 

翻って日本は、褒める文化がない。

「お世辞」「おべっか」「社交辞令」など、褒めること自体、上っ面の行為にとらえられがちである。

「部長、さすがですねー」などとお世辞を言ってごまをする課長に限って、部下に対して褒めることは皆無である。部下からその課長は「こばん鮫」「ヒラメ社員」などと蔑まれ、尊敬されない。そういう文化である。

 

    また、部下を褒めることも、ためらいがち。褒める人は軽率、ちゃらいと見られがちのほか、「欧米流の褒め育てが挫折に弱い日本の若者を生み出している」とか、「褒め過ぎはよくない」との偏見もはびこる。しかし日本は「褒め過ぎ」よりも「褒めなさ過ぎ」の方が問題である。

 

    確かに私の周りの職場の人間関係、日常生活をみても、褒める言葉をほとんど聞いたことが無い。自分も「最近誰か褒めたか」と聞かれると耳が痛い。せいぜい「ご苦労さま」の労いの言葉くらいで、心から褒めてはない。どうも歯が浮くイメージが先行してしまう。 

 

    ある調査によれば、実は男は、褒めるのは下手なくせに、人一倍褒められたい生き物だとか。

    著者の岡本氏は、「男はプライドの生き物。そのプライドをくすぐる「三つの言葉」で男を転がす。それは「すごい」「ありがとう」「こんなのはじめて」。その3語の使いまわしで男性のモチベーションはぐんと上がる」という。

 

    アメリカの調査会社によると、人は働きを認められ、褒められると、生産性は向上し、勤労意欲、忠誠心は増し、帰属意識が高まり、会社への定着率が上がるという。

 

    なぜ褒めると人のやる気を刺激するのか。それは仕事が認められ、賞賛されることによって脳内に「生きる意欲を生み出す快楽ホルモン」ドーパミンが放出されるから。

    褒められることによって、自分の価値を再認識し、自分が必要とされていると感じることができる。

 

褒められたいのに、褒められない。褒めたくても、褒められない。

日本人の褒められない苦悩はとても深いのである。

 

男性よ、もっと人を褒めよう。

褒めればもっと社会は良くなる。

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私のプチご褒美はシュークリーム