笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字692は「減」。お菓子の量がいつの間にか減っている

今日の漢字は「減」。減少、減税、減点、軽減、削減。

 

   シュリンクフレーションという言葉がある。商品の価格は変わらないまま、内容量が減っていること。実質は値上げなのだが、露骨に値上げをしてしまうと、価格に敏感な消費者に背を向けられるから、知らないうちに量を減らして効率化している。

 

   ポテチやポップコーンのように、総量が減る分には意外とわからないが、でんろくチョコのような袋入りチョコや袋入りのウインナーソーセージ、チキンナゲットなどは全体の個数が減るということがある。1個減るだけでも結構大きいが、あまり普段から個数を気にしていない人は、いつの間にか減っていることに気づかない。「1個増量」などとパッケージにでかでかと記している場合は、購買意欲が大きく増すものの、その逆は企業側が静かに対応するから厄介である。

 

   ネットを見るとそんな事例が溢れていて、例えばカルビーのポテチは、量が90g⇒85g⇒70g⇒65g⇒60gと、どんどん減っている。また、不二家のカントリーマームやホームパイも以前からは大きさがかなり小さくなっている。

 

   そんなシュリンクフレーションの我が家での事例を。

   休日の昼食用にと、よく行くパン屋があった。北海道内で展開する準大手のパン屋で、札幌市内にも複数店舗を構えている。妻はこの店の生クリームパンをよく食べていた。先日、そのパンを食べてふと呟いた。「このパン、小さくなっていない?」

   私は別のパンを食べていたから、よくわからなかったが、彼女はどうも首をかしげていて不満のようだ。

「これ、絶対に量が減っている。値段は変わっていないと思うから、小麦の量を減らしたんだわ。いつのまにか量を減らすような姑息なことをするパンはもう食べないわ」と怒り心頭であった。

 

   お菓子だけではなく、パンのように目に見えないところでもシュリンクフレーションは起きているのである。

   何年も続くデフレの時代に、企業はなかなか値上げに踏み切れない。高い原材料や人件費、食を扱うことによる安全対策や広告宣伝費など、商品を売るためにかかる経費は膨らむ一方だが、だからと言って簡単に値上げをしてしまうと、消費者はあっという間に離れ、ライバル企業の商品になびいてしまう。インフレ時代であれば、多少の値上げは許容範囲だが、消費者の財布の紐が固い今にあっては、いかに消費者に損をさせた気分にさせない形でつなぎとめるかがポイントなのだろう。

 

   妻は「もうこの店の生クリームパンは食べない」と言いながら、たまに恋しくなるのか、自分が怒ったことを忘れて、時たま買ってきてむしゃむしゃ食べている。何だかんだで、おいしいものには目がないのである。

f:id:laughing-egao:20210405223441j:plain

減点主義より加点主義でいきたい