笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字675は「草」。煙草の思い出

今日の漢字は「草」。草食、草案、草野球、起草、草野仁

 

   タバコを漢字で書けば「煙草」。その煙草の思い出。と言っても、ほとんど吸ってこなかったから、今ひとつ身近でない。

    祖父がキセル式のたばこを愛用しており、いつもたばこの葉をぎゅうぎゅうに詰めて、火をつけてうまそうに吸っていた。キセルは中身が詰まりやすいから、細い針金のようなものでいつもつっついて掃除していた。紙巻たばこが全盛の時代に、もはやキセルなどという面倒な器具に頼ってたばこを吸う人はいないから、よくわからない人が多いのではないだろうか。落語で扇子をキセルに見立てて演じるが、もはやキセルをイメージできる世代は50代以上。だからそのシーンもわからない人が多くなっていくと思う。江戸時代にはキセルが一般的だったから、江戸のシーンを想起させる重要なアイテムのキセルだが、落語上でもだんだん使われなくなっていくと思われる。

 

   禁煙、分煙のあおりを受け、愛煙家も肩身が狭くなっている。

   北海道議会議員の庁舎に自民党議員が喫煙所を作ることに物議を醸している。そもそも市役所や道庁などの公共施設はすでに完全禁煙となっているものの、自民党議員の入る階には喫煙所を作るようである。市民から大きな批判を浴び、知事も考え直すよう、進言はしているが、撤回の見通しはない。本来は受動喫煙による影響が社会問題となっている中、分煙や禁煙を先頭に立って旗を振る立場の議員が、自分の既得権で喫煙を正当化しようとしている姿勢に疑問である。自民党以外の党は喫煙所の設置は全く考えていない。問題なのは、喫煙所が税金で作られるのではなく、JTの寄贈によるというのが、また議論を複雑にしている。想像するに、道議会議員の中で影響力の強い議員がおそらく愛煙家であることは間違いない。若手議員など設置に苦々しいと思っていても重鎮に対して口を出せないのではないか。そうだとするならば、情けない話である。

 

   たばこを吸わない私であるが、本当に分煙が進んでありがたいことである。昭和の時代は職場の机には普通に灰皿が置いてあり、よく先輩の机に積み上げた書類が落ちてきて、灰皿の火のついたたばこに燃え移るということがあった。職場でも7割くらいは喫煙者だった。30年たって様変わり。分煙が進むのはもちろんだが、たばこを吸う人も少なくなった。中高年の社員も禁煙に成功した人が多い。

 

   昔はたばこを吸う人が格好いいと、映画やドラマのシーンでも喫煙シーンが流れたが、今やたばこを吸う人がおしゃれな時代ではなくなった。たばこを吸う人は自制心のない人、自律できない人のレッテルが貼られ、より一層肩身の狭い立場に置かれていくのではないかと思う。

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草の根運動ができる人は凄い