笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字616は「視」。視聴率調査は前時代的ではないか

今日の漢字は「視」。視覚、視線、視力、敵視、英雄視。

 

テレビ番組の視聴率調査というのがある。

 

    スポンサーが広告を出す際の指標となる、テレビ局が躍起となる数字。

 

    もう何十年もテレビ局は視聴率を上げることだけを考えて番組を作っている。そうしなければ、スポンサーがつかないから、売り上げが伸びない。

   テレビCMには、ご存知のように、スポンサーが番組を提供する「タイム」という形と、ランダムに流れる「スポット」という形がある。

 

    東日本大震災直後、公共広告機構、いわゆるJAROのコマーシャルが大量に流れたが、それは放送する予定だったスポンサーのCMが放送をキャンセルしたため。被災している東北に配慮し、各企業はCMを自粛したが、JAROだらけの広告になり、テレビの体裁をとっていなかった。まさか何も放送しないわけにはいかないから、震災などの際は、報道番組の間に入るCMスポットはなかなかしんどい。

 

    テレビ局が儲かっているかどうかの指標の判断に、スポットコマーシャルに企業のコマーシャルがきちんと流れているかどうかというのがある。よく「番宣」といい、CM中にテレビ局の自社番組の宣伝を流す場合がある。これは要するにスポットの枠の企業の買い付け(いわゆる発注)が無いために、CM枠が余っていて、売れていないのである。

 

   よく年度末の3月に車のコマーシャルがやたらと増えるのは、年度の予算消化で各企業が大量に発注するため、同じようなCMだらけという惨状となる。

 

    そんなビジネスモデルがもう何十年も続いているが、ネットの台頭で、ついにテレビ広告はネット広告に抜かれた。2019年度ネット広告費2兆1048億円に対し、テレビ広告費1兆8612億円)。おそらく今後テレビ広告費がネット広告費を上回ることはないであろう。テレビを愛してはいるが、購買力に乏しい団塊世代が高齢化を迎え、反対にデジタル世代が大半を占める時代に突入する中にあっては、ネットを使ったビジネスモデルがどんどん進化していくであろう。当然各企業も重視する広告をネットにシフトしていくことは間違いない。

 

    そんな中で、気になるのが視聴率調査。聞くところによると、各主要都市の200世帯くらいに視聴率調査の機械が置かれ、視聴率をリアルタイムに測っているらしい。しかも視聴率調査の置かれた家庭は、その事実を口外しないよう、口止めされているという。

 

    その事実が正しければ、サンプル数が少なすぎないか。たかだか数百世帯で、何千世帯が見る視聴率を簡素な数字で表す精度がどうなのかと思う。

   デジタル化でインターネットとテレビを融合させれば、視聴率調査の機械など必要ないし、もっとリアルに数字が拾えるはずである。

 

    そもそもテレビのデジタル化は、テレビと視聴者が双方向でデータのやりとりをすることが売りではなかったか。ビックデータを駆使すれば、全国津々浦々の視聴率調査が可能となる。そもそもインターネットの閲覧履歴やユーチューブの閲覧履歴はすべて押さえられていて、その視聴者に合った最適な広告を出す時代。デジタル化されたテレビで数字が取れないはずが無い。

 

   これからはテレビとインターネットを融合させ、テレビのビジネスモデルをよりパーソナルに変えていく意気込みくらいで臨まないと、テレビの未来は危ういと思われる。

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