今日の漢字852は「壊」。クロスバイクが壊れた
今日の漢字は「壊」。破壊、崩壊。
愛用していたクロスバイクが壊れた。チェーン部分のスポークが折れたので修理してもらおうと、車に積んで自転車屋さんに持って行った。簡単に修理できるかと思いきや、あっさりと「部品の交換ですね」。さらに追い打ちをかけるように、「メーカーに部品交換を依頼しても数ケ月かかります」とのこと。
よくよく聞くと、世界的な自転車人気の高騰と需要拡大で、自転車そのものの製造や部品の手配が追いつかないのだとか。
さーて困った。それ以外でもあちこちガタがきており、チェーン部分だけの部品交換にとどまらないという。「1〜2万円くらいはかかりますかね」と店主はあっさりと言う。
このジャイアント(台湾のメーカー)のクロスバイクも13年目と、かなり乗りつぶしている。毎週末はプチサイクリングであちこち出かけているし、走行距離もかなりなものになっている。
修理に幾ばくかのお金をかけても、いつかまた壊れる時が来るかもしれない。これまで楽しませてくれたジャイアント1世には感謝しかないが、ここが買い換え時なのかと、ジャイアントのカタログを見ながら思案した。
店主は私の買いたそうな雰囲気を察知し、畳みかけてきた。「お客さん、ラッキーですよ。たまたまうちの店では、4月にジャイアントのクロスバイクを2台発注し、ようやくこの9月に入荷になるんです。それくらい工場がフル稼働で生産が追いつかないんですよ」
さらに深堀りして聞くと、「コロナ禍で電車通勤を毛嫌いして自転車通勤に切り替える人が世界中で続出しているようですね。それで自転車の入門編として、乗りやすいクロスバイクを購入する人が急増しているんです。休みの日も人出の多い箇所を避け、サイクリングやキャンプを楽しむ人が増えてますしね。5ケ月待ってようやく入荷ですから、お客さん本当にラッキーで、今が買い時ですよ」と営業トークが冴え渡る。
私は、「5ケ月でようやく入荷」という現実と、今のクロスバイクの修理にかなり時間がかかることを天秤にかけ、思わず「そのクロスバイク買います」と即決の衝動買いをしてしまったのである。
しかし、自転車の生産が追いつかないくらい、世界的に需要が急増しているのは、コロナ効果であり、そのトレンドには気づかなかった。確かに首都圏などは、テレワークの普及で幾分緩和されたとはいえ、密な満員電車を避けて、エコな自転車通勤に切り替える人が増えているのである。その余波が自転車メーカー、自転車部品メーカーに影響を及ぼしている。
ということで、株価を見ると、自転車部品の大手メーカーのシマノの株価はうなぎ上りであり、2020年から倍になっている。アンカーブランドを展開するブリヂストンもじわりじわりと株価を上げている。
自転車ブームはしばらく続きそうな気配である。
私の愛車ジャイント1世に別れを告げ、2世を待つこととしよう。