笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字696は「雅」。優雅な船旅をしたい

今日の漢字は「雅」。優雅、雅楽鈴木雅之

 

   ゆったり時間を過ごす。その象徴的なものは、乗り物にのって優雅な時間を過ごすことであろう。

    JR九州の豪華列車、ななつ星の運行が2013年から始まり、人気を博している。九州の主要都市を3泊4日で、ゆっくり時間をかけて回る。門司駅を出発して、博多、由布院阿蘇、宮崎をめぐる旅。豪華列車に乗り、地元の名産に舌鼓を打つ。宿泊は各地の老舗旅館。ネットで調べると、DXスイートで128万円。高額商品だが、チケットが抽選になるほどの人気だという。鉄道マニアだけではなく、お金と時間にゆとりのある中高年層が増えてきたことが、こうしたビジネスを成立させる背景になっている。

 

    或いは、最近はコロナウイルスの関係で、営業がストップしているが、つい最近までは豪華客船の旅が、ステイタスシンボルとして人気を得ていた。

    定年男が一度は夢を見る「定年を迎えたら、夫婦2人で船に乗って世界中を旅する」のアイデア。典型的な夢のひとつ。ただし最低でも夫婦二人で一人100万円という価格帯に二の足を踏んでしまう。

 

   しかしそれを実現できる夫婦は、それこそ海の上をゆったりと航行する船旅で、贅沢な時間を過ごすことができる。船内には、乗客が飽きないよう、さまざまなエンターテインメントがあるし、食事も和洋中の至れりつくせり。運動不足の方にはプールやジムもあり、いろいろ挑戦できる楽しみがある。

 

   ただ、玉村豊男「旅の流儀」によると、リタイアした夫婦の参加には注意が必要とのこと。何といっても四六時中一緒にいるから、喧嘩が絶えないそう。我が家であれば、気分転換に、どこかに出かけることで逃げ場を作れるが、船だと逃げ場がない。せいぜいジムに行ったり、図書室に籠るくらい。船旅が何日も続くと、いい加減うんざりするらしい。それであれば船旅をしている意味がない。どうもそんな船旅をしたことのない庶民には想像もつかないが、夢や憧れで豪華客船に乗船したはいいが、夫婦の亀裂を招いたとなれば本末転倒。大金を払ってゆったりと過ごすどころか、ストレスを溜めての帰国となれば、成田離婚ならぬ横浜港離婚にならないよう、注意したほうがいいかもしれない。

 

   コロナ禍の前までは、格安のクルージングツアーもあり、国内旅行とそん色ない価格で回れるツアーもあったようで、アフターコロナでは、クルージング産業は再び活況を呈していくような気がする。いきなり世界一周などという大それた計画にのめり込む前に、4泊5日のお試しツアーで、夫婦で仲良く旅行できるかどうかを試験的にトライしてみるのもいいのかもしれない。

 

   いづれにしても、趣味の多様化や自分らしいライフスタイルの体感という考えのもと、一点豪華主義で、ゆったりとした優雅な時間を買うという嗜好は、さまざまな手法で展開されていくものと思われる。

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雅(みやび)な世界に浸りたい