笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字471は「他」。自分の時間、他人の時間を生きることについて考える

今日の漢字は「他」。他校、他社、他者、他言、他力本願。

 

    「自分の時間を生きる」と「他人の時間を生きる」というのがある。

 

    会社生活は「他人の時間を生きる」の典型。会社でアカの他人と仕事をし、売り上げや利益を上げ、給料という報酬を得る。いわば会社のために仕事をしているから、「他人の時間を生きる」ということになる。

 

    定年退職後、会社のバックボーンが無くなり、やることがなくて生きがいを失う理由のひとつに、それまで会社生活にどっぷりはまりすぎ、「他人の時間を生きてきた」ばかりに、「自分の時間を生きる」ことに目を向けてこなかったというのがある。

 

    会社のため、上司や社長のため、家族のために仕事をし、平日も同僚との飲み会、休日も接待ゴルフと、人生のほとんどを「他人の時間を生きる」サラリーマンが多い。休みの日も平日の疲れをとるために家でゴロゴロし、家族サービスも面倒だからと関わらない。

 

    そうして「他人の時間を生きる」ことを正当化してきた中高年サラリーマンが、退職した途端に「自分の時間を生きる」ことに戸惑ってしまう。

 

    退職と同時にありあまる自分の時間に一体何をしたらいいのか、全くビジョンのないまま突入し、右往左往している。

 

    その反対に奥さんはずっと自分の時間を生きているから、今までと変わらず、自分のコミュニティで輝きを放っている。

 

    だからこれからの中高年男性は、退職する前から自分の時間を生きることにシフトチェンジするビジョンを持たないと、途端に枯れた老人化することは間違いない。

     再就職して、引き続き他人の時間を過ごす人もいるだろが、いつかは「自分の時間を生きる」ことを発想の中心に据えていかねばならない。

 

     一方、若い世代にも自分の時間を生きると他人の時間を生きる問題があると思う。

 

    それは、子育て。

 

     奥さんは子供と一心同体であるから、赤ちゃんとは四六時中行動を共にする。そうしないと赤ちゃんが死んでしまう。

     だから奥さんは自分の時間を生きている。

 

    問題は夫。子育てが「自分の時間を生きる」ことだと思っている父親がどれくらいいるか。

 

     最近でこそ「育メン」として育児休暇をとり、育児を積極的に手伝う男性が増えてきたが、そういう男性は育児を自分事として、子供と自分の時間を共有しようとする意識がある。しかしそうでない男性は合いも変わらず「仕事が忙しい」「休みが取れず育児の余裕がない」「育児は妻に任せっきり」と「他人の時間」を生きようとする。

    ひどい夫だと、育児が嫌で会社を逃げの手段に使おうとする者も出てくる(昔の人はほぼこのパターンだったが)そこで夫婦のすれ違いが出てくる。

 

    これからの時代は育児をする男性が「自分の時間」の意識を持つことではないか。

   共働きが普通の今の時代にあって、子育ては妻の負担を少しでも軽くするために夫の協力は欠かせない。夫も育児を自分の時間と捉えるべきだし、雇用する会社側も育児休暇の充実等、自分時間が持てるしくみをきちんと構築する会社が高い評価を得ていくと思う。

 

    最後に自粛警察。最近でも東京から田舎に帰省した人に「早く帰れ」と注意する紙を投げ込んだり、ちょっと前では、ライブハウスなどに営業自粛を求める抗議の紙を貼ったりと、いわゆる自粛警察が世間を賑わせた。

 

    これも注意した本人は「他人の時間を生きている」。他人や店のことが気になって仕方が無い。本来はどうでもいいことであり、帰省した本人がコロナにかかっているかわからないし、大きなお世話である。

 

    自分の本意とは反対のことをするやつらには鉄拳制裁を加えるがごとく正義感ぶって行動を起こす人は、世間にモノを申したいのだ。それは自分自身の不満の裏返しであることに気付いていない。

 

     自分の時間を生き、日々の自分の生活が充実していたり、気持ちが穏やかで安定している人はこのような行動は起こさない。

 

     堀江貴文氏も「自分のやりたいことをやろうとすれば、他人のために無駄な時間を費やしている余裕などない。自分の時間は自分だけのもの。時間は何よりも貴重な資源であり、それをいかに使うかが最重要課題」(本音で生きる)と述べているが、その通りだと思う。

 

    時には、「自分ファースト」の考えがあっても良く、「私は・・」の文脈で物事を考えると、他人に影響されず、忖度や斟酌など他人の尺度で物事を考えなくて済む。

 

    そんな行動を身につけたいものである。

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自薦よりも他薦の方が選ばれる可能性は高いと思う