笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字987は「勢」。分冊百科の2大勢力に巻き込まれてはいけない

今日の漢字は「勢」。威勢。加勢、運勢、姿勢、伊勢志摩。

 

 テレビCMで見かけるディアゴスティーニ社の分冊百科。ワンテーママガジンともいう。「日本の城」「日本刀」「仮面ライダー」のように教養・エンタメシリーズと、「戦艦に大和を作る」などの模型シリーズがある。この会社とアシェット社が2大勢力で、50〜60代のプラモデルで育った世代や、知識欲旺盛な人の好奇心をくすぐる商品を多数発売している。

 

 例えば模型でいえば、戦艦大和の他、スポーツカー、F1カー、戦車、戦闘機、ブルートレインなど。1号ごとの部品は少ないものの、100号とか120号を購入しないと完成しない。値段も1号あたり2000円くらいするから、全部買い続けると総額20万円から25万円もする。なおかつおよそ2年にわたる壮大な製作期間が必要となる。本格的な模型づくりが好きな人は、CMで映し出される美しき完成品に視線が釘づけとなる。しかも創刊第1号は通常価格の半額に設定されているから、お試ししたい人の購買意欲をもり立てる。なかなかうまい戦略であるが、指先が不器用で、プラモデルに愛着がない私としては、食指が動かないのも事実。しかし「サンダーバード秘密基地を作ろう」シリーズが出た日には、思わず買ってしまおうかと書店でまじまじと創刊号を眺めてしまった。

 

 基本凝り性な私ではあるが、毎週2000円、月8000円を2年間払い続ける根性はない。しかも途中で飽きてしまったらどうなるか。その損失はお金もそうだが、それまでの製作時間もすべて水泡に帰す。そんなリスクを犯してまでトライするかと言われれば、答えはNOとなる。一方でユーチューブ動画を覗くと、ご丁寧に両社の模型の製作工程を丹念に紹介していて、動画の視聴者もそれなりにいる。全国津々浦々、分冊百科で模型づくりに励む人が多いのではないかと推測する。

 

 そんな中、TVCMでディアゴスティーニ社がCM放映していたのが「日本の島」。これは模型ではなく教養シリーズで、日本の島をくまなく紹介するシンプルなもの。模型ではないので値段も安い。創刊号は190円の2号以降の定価は690円。ただし121号まである。模型に興味はないが、日本の島には興味があるので、創刊号が安かったこともあり、ものは試しにと購入した。

 

 ページをめくると今回紹介しているメインの島は青ヶ島。そんな島は知らない。日本には島が6847、有人島が430もあるから、今後どのような島が紹介されていくのか楽しみではある。

 しかしその教養を得るために、2号以降継続的に購入するだろうか。冷静に考えると2年という歳月と、総額約8万円の費用がかかる。8万円なら、単行本が何冊変えるか。島に関する専門の辞典を買っても1〜2万円で充実した内容のものが買える。分冊百科は1冊あたりの厚さは薄いものの、120冊もあれば、それなりに本棚の場所をとる。島の知識欲のためにそれだけお金をかけるのは、費用対効果ゼロと判断。あっさり2号以降の購入を諦めた。

 

 最初に購入のハードルを下げて顧客の興味を引き起こし、最初は充実したラインナップで引張る。途中で中だるみしても、購入者にしてみれば「せっかく今まで買ったから」とやめるのが勿体なくなり、ずるずると購入を続けることになる。その戦略がミエミエなので、この種のものには手を出さないのが賢明というのが結論なのである。

 

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伊勢海老を食べたし