笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字311

今日の漢字は「官」。官制搭、官公庁、警察官、自衛官判官贔屓、宦官、官軍。

   堀ちえみが、スチュワーデス物語風間杜夫に言った言葉は「教官!」。「ドジでまぬけな亀だけど、絶対に立派なスチュワーデスになってみせるわ」。教官の厳しい指導にめげず、ひたむきに取り組み、そして成長する彼女の姿は、視聴者の共感を呼んだ。

   小生の教官物語は、自動車教習所での鬼教官との闘い。あれは大学2年の夏、サークルの先輩と一緒に老舗の教習所に入所。昭和後期の当時、教官は滅茶怖い存在。小生の担当教官は、その中でも群を抜いて厳しい指導で有名で、私はその不幸を呪った。

   ある時、仮免で公道を走行中、小生の左足のクラッチ操作が上手くいかず、途端に「何しとんじゃあ われー」の罵声とともに、靴を履いたままの右足で私の左足を思い切り蹴とばした。

   ある時は、シフトレバーを離さずに一瞬片手運転になった時は、「ハンドルは両手で握るもんじゃあど阿呆❗️」と、その直後路肩に車を駐車させられ、こんこんと説教を受けた。

   今なら、そんな指導を受けると、あっという間にSNSで悪評が拡散され、生徒が集まらなくなるが、当時は生徒が飽和状態で、完全に買い手市場。教官もある意味やりたい放題で、私は教習所にいく日々が憂鬱であった。

   先輩も小生と同じ教官に当たり、あまりの厳しさに根を上げて途中で教官を変えたが、小生は悔しくて意地でも最後までやり遂げようと、罵声や嫌味を浴びながらもその教官で通した。

   すると、最終の教習を終えた時、その教官は私に呟いた。「いつ俺を変えるか、ずっと気になっていたが、最後まで俺の指導を受けてくれてありがとな。お前は骨があるわ」。
    鬼教官だったが、最後までついてきた弟子に免許皆伝するような、最後の最後でかっけーひとこと。なぜかそれを聞いて私は「ああこの教官で良かったのだ」と、まるで掘ちえみのように、大きな壁を乗り越えた充実感を覚えたのであった。

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判官贔屓の象徴、源義経