笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字790は「丼」。丼あれこれ

今日の漢字は「丼」。カツ丼、うな丼、親子丼。

 

   日本は丼天国。世界に誇れる食文化のひとつであると言える。上記の丼以外にも、牛丼、天丼、天津丼、マーボー丼など、バラエティに富む。毎日違う種類の丼を食べても1週間はもつし、豪華版ではうに丼や海鮮丼もある。まさに丼のデパート状態、宝石箱状態の日本の丼事情である。

 

   そんな丼で、今まで最も旨かった記憶は明確に脳に刻まれている。それは学生時代に食べた徹夜麻雀のあとの吉野家の牛丼。大概朝6時くらいに最終局が終わり、「腹減った」を合図に、4人のうち、得点が第3位の人間がスクーターを飛ばし、20分くらいかけて吉野家に買い出しに行った。そして買ってきた牛丼をむしゃむしゃと無言で食べる。この時の牛丼の旨さは忘れることができない。やはり麻雀で脳を使ったことと、徹夜で体力を使い果たした肉体に、ご飯と牛肉の組み合わせは贅沢かつ最高のご馳走だった。あの時代はコンビニの弁当はまだレベルが低く、牛丼しか選択肢が無かったというのもあるが、当時の吉野家の牛丼は、餃子の王将と並び、学生の胃袋を満たす東の横綱として君臨していた。

 

   それ以来、何十杯とさまざまな丼を食べたが、これを上回る丼に出会ったことはない。

 

   これまた20年以上前に利尻島で食べたうに丼も思い出深い丼であったが、徹夜明けの牛丼に優る存在ではなかった。値段も2500円と、さすがにキングオブ丼の貫禄はあるもののの、その時は味よりもコスパが気になってしょうがなかった。

 

    一方、美味しくない記憶として強烈に残っている丼がある。その名は「深川めし」。丼にアサリやハマグリが載っていて、私が東京に住んでいた時、田舎から出てきた両親にご馳走すべく、深川めしの店に行った。初めてその時深川めしを食べたが、何とも微妙な味で歯ごたえがない。そもそも小さな貝をご飯に載せる発想が貧弱。貝の甘みもない。ホタテ丼の方が100倍旨い。父母も微妙な顔をして食べていたし、私は申し訳ない気持ちで一杯だった。もっと美味しい深川めしの店はあるのだろうが、完全に外れた店での丼は最悪の感情のまま、今まで引き継がれている。

 

   なお、お勧め丼は、函館朝市などで見られる「勝手丼」。市場にあるお刺身を単品で買い、最後にご飯を頼んで上に刺身を載せるもの。マグロひと切れ200円、イクラ300円など、自分だけのオリジナルな丼が作れるから観光客に人気である。1000円もあれば、十分プチ海鮮丼を楽しめる。

 

    丼は何より豪快さがいい。お洒落に金持ちぶって食べる必要は全くなく、「がしがし」「わさわさ」と米をかき込む動作が好きだ。丼文化は無くしてはならないし、世界に向けて発信して良いジャパニーズフードである。

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三色丼もいい