笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字791は「数」。数字で客観的に見る

今日の漢字は「数」。数奇、数回、数個、数珠、数寄屋橋

 

    立命館アジア太平洋大学の学長で、ライフネット生命創業者の出口治明氏は、世の中を素直に見るためには、「数字、ファクト、ロジック」で考えることだという。

    言い換えれば、個々のエピソードではなく、全体のエビデンスで考えるということ。

    特に数字は、日本人が意外と弱いところではないかと思う。

 

    例えば少子化問題。「どんどん子供が減って人口が減る」と巷では言われているが、その数字とロジックを今ひとつ理解できていない。人口が減るということは、出生者数が減って、死亡者数が増えること。これを数字で表すと、2020年の出生者数が84万人。一方死亡者数が138万人。差し引き54万人の減少。50万人というと、新潟市や八王子市が1年で消える計算。これがしばらく続くから当然ながら人口減少となる。私が生まれた1960年代は170万人の出生者だったから、今は2分の1。だから増やすしかないという理屈に行きつく。数字で見ればどれくらい凄いかが理解できる。

 

    あとは、自給率が良く示される。食糧自給率、エネルギー自給率は良く聞く言葉。

    以外と知られていないのが、魚の自給率。クイズ番組で出てきそうな話題だが、調べると56%。日本は海に囲まれ、しかも黒潮の影響で豊富な漁場があるから、100パーセントまでとはいかないものの、80%近くはあるかと思っていたら、予想を裏切られた。確かにスーパーでは、ノルウェー産のサーモンが売られているし、オホーツクの毛ガニはロシア産が多いというから、海外から輸入される魚が多いのだろう。

 

    また、木材の自給率というのもある。それは一昨年で37.8%。国土の70%が山地・森林で多くの木が生えているにも関わらず、輸入木材が圧倒的に占める。木材価格が海外の方が安いこともあるが、燃料費をかけて船で運んでくることが果たしていいのか。自国の山林を守りつつ、海外の木を伐採して運んでくるのは非効率的である。SDGsの観点からも、自給率を高めていくことは必須の課題であろう。

 

    このように、数字で客観的に見ていくと、今まで見えていなかったものが見えてくる場合がある。「データで読み解く〇〇」と聞くとどうしても難しく考えがちだが、出口氏の意見ではないが、世の中を感情論ではなく、客観的に見るためには、嘘をつかないーターで見るのがいい。いわばデーターは真実を物語っている。何事も数字で判断する癖をつけていけば、世界を重層的かつ多面的に見ることにつながると思う。

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2桁の素数の最大は97