笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字789は「霧」。霧の街、釧路は寒い

 今日の漢字は「霧」。濃霧、雲散霧消、五里霧中、霧島山

 

   「霧の街」といえば道東の釧路。霧の街の代名詞とも言える。私も釧路に住んだことがあるが、霧の街というより、夏がない街ということで、寂しさを感じたものだ。

 

    日本の太平洋側はロシアのカムチャツカから南下する千島海流親潮)と、台湾から九州四国を通って北上する日本海流黒潮)が岩手三陸沖でぶつかる。冷たい海流と温かい海流がぶつかることで霧が発生する。だから岩手や青森、北海道でいえば室蘭や苫小牧でも霧は発生するが、釧路で発生する頻度は半端ない。釧路に住む前に、釧路に住んだ知人から「釧路は寒いぞ」と聞かされていたが、それは冬のことだとばかり思っていた。夏のことを「寒い」と指すのは、住んでみて初めて気づいたことだった。

 

    そんな思いは7月に訪れる。初夏に入っても一向に気温が上がらない。気温は18度前後で推移している。だからいつまでたってもワイシャツは長袖のままで半袖にならない。8月になれば暑くなるだろうと期待するものの、気温はたまに20度を超えるくらい。そうこうするうちに、日中、街の中を霧がもやもやと立ち込めるようになった。湖畔や山岳地帯ならまだしも、夏に街の中で霧を見るのは初めてだったので新鮮ではあったものの、その後はほぼ毎日現れる霧に気分が沈む。なぜ霧が出ると気分が晴れないのかは一目瞭然。寒いから。太陽の陽光が遮られ、湿っぽい空気が周りを包む。その空気はひんやりとしていて、半袖でいると寒い。私は霧が出るたびに暗澹たる気分になった。テレビのニュースでは、本州では真夏日だの猛暑日だの真夏の照りつける映像が流れるが、釧路は真夏と無縁。朝起きてカーテンを開けて霧がたちこめていたりすると気が狂いそうになった。結局釧路在住時にはほぼ半袖を着ることなく終わった。

 

    だから当然のことながら釧路では寒すぎて海水浴はできない。海水浴がしたい人は、車で3時間くらいかけて網走などのオホーツク海まで足を運ばねばならないはめになっていた。

 

    釧路市はそんな霧の街をPRすべく、「霧フェスティバル」なる催しを企画。何のことはない普通のお祭りなのだが、極めつけは霧の中での花火大会。花火が盛大に打ち上げられるが、霧が発生すると全く見えなくなり、音しか聞こえない。そんな霧の中花火を打ち上げるのも全くもって無駄なのだが、霧を謳い文句にしているからお構い無し。厄介者を味方につける発想は役所らしくなく、市民からは意外と好評だった。

 

   猛暑や酷暑にうんざりしているお方には、釧路はお勧めの街である。

f:id:laughing-egao:20210711174226j:plain

エアコンと言えば三菱電機の「霧ヶ峰エアコン」