今日の漢字は595は「似」。物真似(モノマネ)タレントに思いを馳せる
今日の漢字は「似」。真似る、相似比、類似、疑似、似鳥会長。
物真似、モノマネを見るのは楽しい。
モノマネエンターテイメントについて語ろう。
と言っても、私のモノマネライブ体験。
岩本恭生という、沢田研二のモノマネで一時期ブレイクしていたものまねタレントがいる。彼はすすきのにモノマネパブ「ガンダム」という店を経営していて、2度ほど行ったことがある。(今は閉店していてないが)
その頃彼は既に全国区の人気だったので、経営者でありながら、なかなか店に現れないと噂されていた。
私が友人と行った時も彼は現れず、松山千春のそっくりさんなどのモノマネを楽しんでいた。さあ帰ろうかと席を立とうとすると、司会の方が、「じつは本日、東京から帰還された我らが店主、岩本恭生さんが登場します」とシャウト。運良く岩本恭生オンステージが催され、我々は偶然にも沢田研二を堪能できた。本当にラッキーな出来事であった。
お次はコンサート。某保険会社の終身保険に入ったところ、その保険会社が主催するモノマネコンサートのチケットを貰った。そのイベンターは、グッチ裕三。当時ビージーフォーとしてモト冬樹とペアを組んで活動し、コロッケ、栗田貫一、清水アキラとともに、モノマネ四天王として人気絶頂期であった。このコンサートでは、ギャラの関係かモト冬樹はアテンドされておらず、グッチ裕三ピンでのオンステージであった。私は懇意にしていたその保険会社の外交員の女性に、どうせ見るなら一番前で見たいと駄々をこね、客席最前列でグッチ裕三の生観戦となった。これまでいろいろなアーティストのコンサートに行っているが、最前列で見るのは、後にも先にもこの一度きりであった。
テレビでは、モト冬樹とペアを組んでうまいことモノマネしていたから、ピンで大丈夫かと最初は訝しんだが、意外とレパートリーが幅広く、十分楽しめた。
体型の割に動きが軽快で、主に海外のアーティストのモノマネを熱唱。トークもそこそこ面白く、会場を爆笑の渦に巻き込んでいた。
最近は若手の台頭なのか飽きられたのか、テレビで見ることは無くなったが、元気に活動しているのだろうか。
最後は再びモノマネパブ。東京に一時期住んでいた時、会社の同僚に誘われて、新宿にある「そっくり館キサラ」というモノマネパブに連れていかれた。20年以上前のことだが、ホームページを見ると今も営業していて懐かしい。ここはブレイクする前のモノマネタレント予備軍の人たちが、将来のデビューを目指し、日々研鑽に励んでいる。
私が訪れた時は、ブレイク前のコージー富田がタモリや石橋貴明のモノマネをしていた。あと、松田聖子のモノマネをする、まねだ聖子もいた。
この店がいいのは、ステージが終わったあと、出演者が各テーブルにお酒やらつまみを運んできて、お客とちょっとした会話をするサービス精神があったこと。我々の所には、まねだ聖子がやって来て、「ゆっくりしていって下さいね」と言われ、まるで我々は松田聖子に挨拶された錯覚に陥った。また行ってみたいお店である。
一定数のコアなファンがいるモノマネタレント業界。
エンタメのいちジャンルとして確立された感があるが、コスパの面から本物に会えない庶民の鬱憤を晴らす役割として、ある意味隙間産業である。また、コロッケのように、思い切り本物をデフォルメして謎の人物に仕上げる楽しさや、本人と瓜二つかと思うほど本格的に仕上げる職人芸など、笑いと専門職人の要素がミックスされていて面白い。
ある意味、テレビに出るようなモノマネタレントは日々研究を重ね、業界スカウトに注目されてデビューを果たすなど、相当な努力をしているとも思われる。お笑い芸人とはまた違った立ち位置で頑張っているから、素人から見ればリスペクトすべき存在なのかもしれない。