笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字393は「速」。速くて良いこととは

 今日の漢字は「速」。速度、失速、速攻、速達、時速、音速、急速、速記、速水けんたろう

 

「速」の漢字を分解すると、木と口にしんにょうに分かれる。

   木と口は、木が束ねられている状態。しんにょうが付いているので、「どんどん、次々に木を束ねていく、素早く動くこと」を意味している。

 

    拙速は「下手ではあるが、出来上がりは早いこと」。一方、巧遅は「正確ではあるが、遅いこと」。

    「巧遅は拙速に如かず」と、中国の書「文書規範」に記載がある。どんなに優れた仕事でも遅いものよりは、多少拙くても早い仕事の方が良いということ。

    

    私もどちらかと言えば、巧遅よりも拙速を心がけ、早めに上司に書類やレポートを提出し、添削される時間的余裕を考える。何度も文書を書き直す細かい上司にあたった時は、特に用心して早めに出すよう心がけた。

 

    同僚は逆に巧遅で、とにかく完成度の高いものを出したがった。だからいつもギリギリ。完璧主義という本人の性格にもよるのだろうが、期限に間に合わせるため、いつも夜遅くまで残業していた。「もっと早く出せばいいのでは」とアドバイスしても、「俺は出来が悪いから時間がかかるんだ」と言って、取り合わなかった。案の定、上司からは「もっと早く出せ」と怒られていた。

 

   私も上司の立場になったことがあるが、お願いした案件がなかなか提出されないと不安になる。いつ、部下に進捗を確認すれば良いか、一瞬ためらう。よしんば「あれどうなった」と聞いて「すぐ出します」であればいいが、「もう少し時間がかかります」と言われた時には、「叩き台でもいいからまず出して」と催促したことがある。内心「速く出せよ」と思っても、注意できない気弱な自分がいた。

 

    「速い」と言葉の同類に「早い」がある。

    「速い」は、スピード感、疾走感があるのに対し、「早い」は、時間的に前であることを差す。

 

    「決断が速い」となると、判断力、処理能力、先見性などの観点から「さすが、すごい」と尊敬の対象で見られるが、「決断が早い」となると、ニュアンスがちょっと違う。そんなに早くて大丈夫か、熟慮や検討が足りないのではないかと逆に心配になってくる。

 

    仕事にしても、日々の生活での行動、さらに様々な判断にしても、「速くやる」ことはスピード感があり、総じてキレを感じる。

    しかし時として拙く終わることもあり、注意が必要。

    その一例が私の家事。たまに食器洗いや掃除をするのだが、速く終わらせようとして、おざなりになることが多く、先日もカレー鍋を洗ったところ、カレーのルーが洗いきれてなく、カミさんに怒られた。やはり早いだけではなく、正確かつ丹念にやることが理想。そういう意味では拙速ではなく、「巧速」を日頃から心がければいい方向に転ぶと思われる。

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テレビのニュース速報のテロップはついつい見てしまう