笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字392は「当」。当たり前のことが果たしてできるか

今日の漢字は「当」。当日、順当、該当、正当、見当、当選、当落、当時、当社、当て馬。

 

    とある経営者からこんなことを聞いた。「わが社の社員には、ABCを徹底することを叩き込んでいるんです」。


    それは、当たり前(A)のことを、バカ(B)になって、ちゃんと(C)すること。
    いかにあたり前のことをちゃんとするか。しかも馬鹿になるくらい素直にという意味。その経営者は、「私は、当たり前のことがちゃんと出来ない社員への評価は厳しいです。凡事徹底こそが会社の業績アップに繋がると私は信じています」と言い切っていた。

 

    しかしこのABCがなかなかできない。


    例えば挨拶。
    幼稚園や小学生の頃にさんざん先生から口酸っぱく言われた「きちんと挨拶をしよう」、「朝は必ずおはようと言おう」。
    大人になって、家族や会社でちゃんと挨拶しているかと問われれば、甚だ心もとない。


    自らのことを振り返って言えば、いつの間にか朝起きて妻や子供に挨拶をしていなかった。


   たまたま読んだ本の中に、「夫婦円満の秘訣は、きちんと挨拶しあうことだ」とあった。50歳を過ぎて情けないが、頭をハンマーで殴られたような衝撃であった。


   極めて当たり前のことができていないと反省し、それ以来、妻や子供には朝のおはよう、会社に行ってきます、ただいまの挨拶をするよう、心がけた。

    夫婦円満かどうかは判断できないが、今では習慣となり、誰にも何も挨拶せずに朝を迎えることは気持ち悪くなっている。

 

    ABCは挨拶だけではなく、掃除やあと片付けをきちんとする、引いた椅子は戻す、他人に迷惑をかけない、間違ったことをしたら謝る、お礼や感謝の言葉をきちんと述べるなど、全て小学生の時に先生から指導されたことばかりである。


    それがなぜ大人になってからできなくなるのか。基本に立ち返れば恥ずかしい限りである。それは大人になって驕りの気持ちが根付いてしまっているからではないか。息子から「どうしてできないの」と言われれば、返す言葉がない。


    映画「ひみつのアッ子ちゃん」で、魔法のコンパスで大人に変身した小学生の綾瀬はるかが、大人たちを前に「人の話を最後まで聞けと小学校で習ったでしょう」と大人たちを一喝するシーンがある。
    これに象徴されるように、今の大人たちは恥ずかしいからとか、格好悪いからとか、必要がないからとか、偉いからという、適当な理由をつけて本来やるべきことをやっていない。子供たちはそういう大人たちを見ている。大人になったからといって子供より偉い訳でも何でもない。

    逆に頭が硬直的で融通が利かず、変なこだわりで人の意見に耳を貸さず頑固になっているということを、恥ずかしいと思うべきなのである。

 

   この経営者の言葉を聞いてから、私は常日頃からABCを反芻するよう心がけている。さらに私は「あたり前のことを」「バカになって」「ちゃんとやる」に加えて、「ぼんやりせず」を付けて、「ABBC作戦」を展開中である

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