笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字372

今日の漢字は「擬」。擬人、擬音、擬態、擬似、擬声、模擬店、模擬試験。
    日本語を学ぶ外国人がびっくりするのが、オノマトペの多さである。オノマトペとは、擬声語を意味するフランス語。擬声語は擬音語と擬態語の総称をいう。


    擬音語はがたがた、ぶるぶる、きんきん、ぴゅうぴゅうなど音や声を真似て表した言葉。擬態語はかさかさ、どろどろ、にっこり、ひらひらなど身振りや状態を表す言葉。日常会話で使うケースは非常に多い。

 

    擬音語、擬態語で最も使われるひらがなは、「ん」ではなかろうか。ちょっと挙げただけでも、びんびん、じんじん、キンキン、ぐんぐん、ガンガン、ワンワン、キャンキャン。きりがない。幼児が真っ先に覚える言葉もワンワンだと思う。ちなみに英語ではBOWーWOWというから、聞こえかたも随分違う。

    一方、「ん」自体が単独で使われることは滅多にない。使われるとするならば、次の3つのパターンくらいしか考えられない。

1.同意の「ん」。「うむ」に近い。
「お父さん、ビール買ってきたわよ。この銘柄でいいんだよね?」「ん。」
2.疑問の「ん」。質問を投げ掛ける「ん?」ともいう。
「彼氏とはうまくいっているのか?どうなんだ。ん?」というパターン。目上の人が目下に使うケースが多い。

3.曖昧を補完する修飾語。はっきり答えたくない場合に使う。
「私の歳は40ん歳です」「あれからん十年たつなー」。

 

 「ん」は、単独使用では日本語的には虐げられているが、擬音語、擬態語では無くてはならない存在で、急にその輝きを増すという不思議な日本語である。

    
   「ん」を取り入れた擬音語、擬態語を日頃から意識して使うことで、豊かな感情表現になるとともに、相手に対してイメージの湧きやすいシーンを演出することになるのは間違いない。

   「さんさん」と輝く太陽のもと、「キンキン」に冷えたビールを飲んで、皆で「ガンガン」「ばんばん」楽しもう。

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高校の学園祭と言えば模擬店