笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字1031は「詮」。会社を離れれば所詮タダの人

今日の漢字は「詮」。所詮、詮索、詮ない。

 

 もう3ケ月も前の話で恐縮だが、今年の年賀状で、何枚かの中に、「今後は年賀をご遠慮させていただきます」の記載を見かけた。若い人にはすっかりそっぽを向かれた年賀状だが、儀礼廃止の加速化が進行している。さらに会社関係者の中にも「定年退職を機に今後の年賀をご遠慮させていただきます」との記述もあった。カミさんに、「定年だからもう会社関係者とは付き合わないということなのか」と言ったら、「仲のいい人には継続的に出すはず。あなたはもう人間関係上、必要ないと判断されたのよ」。痛いところを突かれ、なるほどと納得したのだった。

 

 「過去と決別する」という考え方がある。定年退職や結婚退職を機にそれまでの人間関係をリセットする人がいる。同じ会社の同僚女子で、何度も飲みに行き、仲のいい関係だと思っていたのに、彼女が結婚退社した途端に連絡がぷつりと途絶えた。一度携帯に電話をかけてみたら、番号が変わっていた。また、同じ業界で別の会社にいて、これまた何度も飲みに行った知人男性も、定年退職を機に全く連絡がつかなくなった。何度携帯に電話しても出ない徹底ぶりだった。

 

 このふたつの例を見るまでもなく、私との関係は、本当に気の置けた人間関係だったのではなく、所詮会社や業界という枠組みの中での付き合いでしかなかったということ。会社を離れても一生付き合う関係ではなかったということなのだ。

 

 だから結婚や定年で退職すれば、その関係は過去のものとなり、それを続けようとすることは過去にしがみつくことになる。もちろん会社と関係のない旧友との関係を大事にするのはあるが、そこには利害関係はない。上記の2人も、利害関係が見え隠れする中で付き合いを継続したいとは思わなかったのだろう。

 

 「過去を捨てられない人間に未来はない」という評論家がいたが、定年後いつまでも以前の会社や肩書を自慢したり、当時の部下を誘って飲みに行くような人は、過去の栄光を捨てられないのかもしれない。それは自らの成長を阻害する要因でもある。

 

 大前研一氏も、「自分を変えたいと思えば付き合う人を変えろ」という。定年退職していつまでの旧来の会社の付き合いが続くはずはない。その段階で自分は変わらなければならないし、あらゆることを一旦リセットして付き合う人を変えるくらいの気持ちでいかないと、結局「過去を捨てられない」人として、元部下や後輩から鼻で笑われることになるだろう。

 

 少なくとも会社を離れれば付き合う人間は変わっていくと考えた方がよいだろう。

 

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男女の関係を詮索してはいけない