笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字1014は「互」。互助の精神でいきたい

今日の漢字は「互」。相互、交互、互角。

 

 北海道内は今年は大雪で、毎日が除雪の日々である。先日は50センチ、この前も30センチの降雪があり、いい加減うんざりである。JRも雪の影響で全線ストップし大混乱。物流など生活への影響も大きい。今はコロナ禍で在宅勤務が多いから良いが、雪かきをしてから会社に行くのはしんどい。腕ばかりが逞しくなる姿は、いいのか悪いのかよくわからず、筋肉痛に悩む今日この頃である。

 

 家でもそんな状態であるからして、道路も当然除雪は追いつかない。車はノロノロ運転の大渋滞で、1キロ進むのに3時間かかった人もいたという報道を耳にした。車が進めばまだいいが、中には車が雪に埋まって身動きが取れないケースも出てくる。そんな時、運転手は途方に暮れる。JAFを呼ぼうにも、脱出作業に大忙しのJAFは簡単には来てくれない。

 

 北海道の人は、そのように埋まった車を人ごととは思えず、見捨てておけない人が多い。全く関係のない通行人や近隣住民が集まってきて、運転手に「車、押しましょうか」と声をかける。そして、「うんこらしょどっこらしょ」と車を後ろから押して脱出させようと奮闘する。うまく動かないと、別の人もどこからか加勢し、何人かが自然と集まってきて車を押し合う。車が脱出すると、運転手は「いやいやどーも。ありがとうございました。助かりました」と照れながらお礼を言い、助けた人たちもほっと安堵の表情で「やーよかったよかった」と言って、何事もなかったかのように去っていく。このように雪に埋まった車は、自然と集まってくる赤の他人に助けられるのである。

 

 実際、私も雪でスリップし車道から歩道に車が乗り上げて埋まった際、通りががりの親子に車を押してもらい難を逃れたし、逆に埋まっている車を発見し、2人くらい押す人に加勢して助けたこともある。もちつもたれつの経験を何回かした。

 

 そういう互助の精神が過酷な雪国で暮らす人々の潜在意識の中にあるような気がする。多くの人は雪が大量に降って嫌な思いをしている。そうした状況下の中、車が埋まって困った人を助ける行動にさせるのは、「同じ厳しい自然環境の中で生活する者同士として、お互い助け合いましょう」との気持ちが自然と働くのだと思う。

 

 だから「困った時はお互い様」で、何の見返りもない中、車が埋まって困っている人を見過ごせないのである。そういう意味では人間は根本的に親切な心を持った優しい存在なのかもしれない。それは雪国に限ったことではなく、例えばバッテリーが上がって動かなくなった車に、ブースターを接続しエンジンをかけるのを手伝う場合もある。その時も何の見返りも求めないし、求められない。何でもかんでもお金や経済価値に換算される世の中ではあるが、「無償の奉仕と互助の精神」を常に持ち続けていると、毎日を穏やかに暮らすことにつながるのだと思う。

 

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お互いに褒め合うことが大事