今日の漢字994は「持」。持続可能な幸せ「ウェルビーイング」を目指そう
今日の漢字は「持」。持参、所持金、維持、保持、支持、堅持、等持院。
最近、幸福学で使われる言葉に、「WELL BEING」という言葉がある。直訳すれば、
「持続可能な幸せ」。従来の「HAPPINESS」とは一線を画した提唱をしている。
ウェルビーイングとは、身体的、精神的、社会的に良好な状態を指し、一瞬の幸せではなく、「長い時間の幸せ」と定義する。一方のハピネスは感情的にその一瞬しか続かない幸せとする。
この違いを説明する方法として、「地位財」と「非地位財」がある。地位財とは、お金や社会的地位を指し、出世や収入増で一瞬の幸福度が上がったとしても、他人と比較することで幸福度が下がる。非地位財は、家族、健康、趣味など誰かと比べるものではなく、長続きする幸せである。極端な例で言うと、宝くじに当たっても、その幸福は一瞬で、当選金を使い果たしてしまえば幸福度は一気に落ちる。一方、「孫に会うのが楽しみ」とか、「仲間と楽器演奏や合唱のサークル活動が生き甲斐」などの場合は、幸福度が長続きする例と言える。
アメリカの経済学者のダニエル・カーネマンは、「感情的な幸福は年収7万5千ドルまでは収入に比例して上昇するが、7万5千ドルを超えると比例しなくなる」という研究結果を公表している。要するに地位財では幸福は長続きしないのである。
そのように考えると、これからの時代は、地位財のような短期的なハピネスよりも、非地位財に基づく長期的な幸せのウェルビーイングを求めて行動する時代と言えよう。
慶応大学の前野隆司教授は、ウェルビーイングとして4つのことを勧める。
1.やってみよう
主体的に取り組む人は幸せであるという。自己実現を目指して成長しようと頑張る人はウェルビーイングの気持ちを持ちやすい。
2.ありがとう の利他の精神を持つ
人とのつながりを持つことに感謝する。人のつながりを実感する。
また、社会貢献活動への興味や関心と、幸せには相関関係があり、誰かを幸せにしようとすると、自分が幸せになる。他人のためにお金を使うことが幸せにつながるという報告がある。利他の精神がウェルビーイングにつながる。
3.なんとかなる
細かいことを気にせず、失敗を恐れずにチャレンジする。いつも楽しく笑顔でいる。
4.ありのあまに
人と比べずに自分らしく生きる。自分の軸を持つ。他人に左右されずにマイペースで生きる。
要約すると、チャレンジ、感謝、楽観、ありのまま がキーワードだろうか。
そうした気持ちを持つことで、持続的な幸福を維持することにつながるのである。