今日の漢字980は「移」。移民政策には反対だ
今日の漢字は「移」。移動、移転、推移、遷移。
予備校講師で世界史の著作が数多くある神野正史は、「世界史を見ると、移民政策で成功した国はない」と断言する。以下、彼の主張。
移民は必ず移住先の文化・社会・国家・民族を破壊する。だから大規模な移民は国を壊す。民族移動は当該地域だけの破壊にとどまらず、次なる民族移動を引き起こす。
移民される側の立場で、もし彼らを受け入れるならば、彼らに自民族の文化や生活を破壊されてもよいとの覚悟で臨まなければならない。
移民問題は決して人間の手には負えぬ怪物なのである。
一度でも移民を許せば、移民たちはその土地を命をかけて守ろうとする。だから彼らを絶滅させない限り、二度とその土地が戻ってくることはない。
中国しかり、インディアンが滅ぼされたアメリカしかり、もはや国民のアイデンティティがないフランス、移民政策に翻弄されるドイツもしかり。
そして日本はどうか。国土に一歩たりとも移民を踏み込ませてはいけない。移民を開放すれば、国家衰退の危機となる。移民推進派は、「日本は人口が減り始めたから、人口を増やさねばならない。そのためには移民を迎えるしかない」とのロジックを持ち出す。
しかしそもそも、1億2千万人いた日本の人口爆発こそが異常な状態だった。増えたものは減る。それが自然の摂理である。
悲観論者が常套句で出す、「このままいけば」は、あらゆる要素が何も変わらず、現状のままいくことが前提。IT化も技術革新もDXも社会情勢の変化も顧みず、「このままいけば困る」と「ただ人口が減る」1点だけを見て未来を語る。それは何の意味もない。
戦争時代の帝国主義は、人口増加が国家存続の大前提。江戸時代の人口は3000万人。太平洋戦争終戦期で7000万人。そして高度経済成長期の人口増加で1億人。国土の規模からして、産めよ増やせよの政策自体が異常であった。その1億を前提に構成された社会組織であるため、さまざまな社会問題が顕在化するのは当たり前である。これからは人口減少を前提とした社会体制を考える時代なのである。
人口増加を前提とした考えは古く、それゆえ移民政策もその古い思考に基づく危険な発想。「どうすれば人口増加するか」ではなく、「どうやって人口減少を前提とした新しい社会を造っていくか」にシフトチェンジしていかなければならない。
そのためのキーワードはAIとロボット。運輸やサービス業などで労働の適用範囲を広めていく。そしてすべての分野の書物や研究成果をAIに記憶、処理させ、分析させれば、人間が思いもよらない発明が出てくるかもしれない。人間の浅知恵で実施される政策よりも、AIの判断の方が正しければ政治家は不要で、電脳主義体制ができるかもしれない。
もし労働力不足を補うために移民を受け入れた場合、その後労働力が解消されても移民たちはその国から出ていかない。移民の子孫もその土地に残る。そして国家が分断される。数年後にはヒスパニック系の有権者が白人有権者を上回るアメリカの分断を見ていれば、火を見るよりも明らかである。
一度でも移民の入国を許せば、彼らは絶対に出ていかない。国家分断の敵を日本に入れてはいけないのである。