今日の漢字964は「冗」。フィラーを無くして冗長なスピーチを避けよう
今日の漢字は「冗」。冗談、冗舌、冗漫。
スピーチで必ず聞く言葉、「えー」。
全ての素人のスピーチで「えー」を聞かない人はいないくらい、1000%この言葉を聞く。
冒頭でえーと言うのは、まずもって出だしからストレートにネタに入る心理的余裕がないというのがある。
「えー。ただ今ご紹介に預かりました○○です」
最初の出だしの「えー」はごく当たり前で違和感はないが、スピーチの途中でやたらと「えー」が出てくると、だんだん聞いている方も冗長感が否めない。「決してこの人スピーチが上手くないな」となる。
「スピーチや会話のえーがなくなる本」(高津和彦)では、この「えー」を「フィラー」と定義。当たり前だが、フィラーを出さないことでスムーズなスピーチが展開できると説く。
フィラーが出る状態とは、
・心が緊張している。自信がない。格好をつけたい。
・話す内容が決まっていない。
・声が小さい、滑舌が悪い。
この状態を逆に改善していけば、フィラーを出さず、滑らかな喋りが実践できる。フィラーを出さないように心がけていれば、それが習慣化され、聞き手にとっても滑らかに聞こえるようになる。
まずは最初のセンテンスの文頭だけは絶対にフィラーを出さないようにするだけでも意識化ができ、だんだん「えー」が減るとのこと。
なお、フィラーには「えー」だけでなく、実にさまざまなパターンがある。
・やはり、やっぱり、やっぱ、いわゆる、つまり、ということで、結果的に、いわば
・ちょっと、少し、なんか、あまり、まっ
・ある意味、ある種、○○とか、○○等々
・○○でして、○○で、○○していてえ、(次の文にいくのにつなぎで入れる)
私個人で言えば、「えー」はあたり前。「ちょっと」や「〇〇でえ」と文章を区切らずそのままつなげてしまう癖もあると感じている。普段は無意識で出てしまうが、これらの言葉を意識して使わないようにすれば良い。
なお、スピーチで参考になるのは、国会議員の演説とテレビのコメンテーター。街頭演説での国会議員の先生のスピーチに「えー」はほとんど出てこない。センセイの演説は力強い。冗長ではそっぽを向かれる。間の取り方も絶妙。議員先生は喋るのが命なので、それは当然であろう。一方、テレビのコメンテーターもほとんどフィラーが出ない。テレビは時間が命であり、冗長だと視聴者からチャンネルを変えられてしまうから。短い秒数で的確に自分の考えを述べるから、無駄な言葉を使う余裕がない。コメンテーターは何万人という視聴者のプレッシャーを受け、自然と喋りが磨かれるようだ。齋藤孝氏が、フィラーを無くすには、コメンテーターの喋り方をよく観察して真似すればうまくなると発言していた。
最後に高津氏は付け加える。
スムーズに喋るために、長文にしない。句点を使って間をとる。ワンセンテンスを短くすると、思考がサクサク動くのでお勧めと締めくくる。
なかなか難しい指摘であるが、実践あるのみである。