笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字937は「昇」。泣き笑いの昇降格チームも決まり

今日の漢字は「昇」。上昇、昇給、昇降口、昇段。

 

   今年のプロサッカーのレギュラーシーズンも終わりを告げた(天皇杯を除く)。

 

   今年のJリーグは変則レギュレーションで、J1,J2とも降格チームが4チームと、史上最大の変動幅で例年以上に熱い戦いが繰り広げられた。昇格・降格の渦中のチームの選手、スタッフ、サポーターの皆さんは終始、胃の痛い思いをしたことだろう。

 

    サッカーの醍醐味は、優勝争いは勿論だが、リーグの昇格、降格があること。誰が考えたのかは知らないが、このシステムが素晴らしくリーグ全体を面白くしている。今回もJ1は川崎フロンターレが早々と優勝を決めたほか、J2もジュビロ磐田京都サンガが数試合を残してJ1昇格を決めた。降昇格制度が無ければ、どのチームも残り試合は消化試合となり、全く盛り上がりに欠けていたであろう。

 

   しかし降格昇格試合が絡むことで、当事者だけでなく、対戦チームも独特の緊張感に呑まれる。そのドキドキ・ワクワク感が最終節までもつれ込むとなると、サポーターも俄然ヒートアップする。最後まで飽きさせないリーグ運営ができることに、この制度は「おらが街で繰り広げる最終戦争」感を満喫できる。

 

   今年は横浜FC、仙台、大分、徳島がJ2に降格、松本山雅、北九州、愛媛、相模原がJ3に降格となった。最近はどのチームも実力が拮抗していて、1度降格すると、なかなか再昇格できない。また、下のカテゴリーだと、スポンサー離れや観客動員の減少など、経営状況も不安定になる。降格したチームのサポーターの落胆ぶりは想像を絶するものがあるが、プロスポーツである以上、ルールには従わなければならない。

 

   私が愛する北海道コンサドーレ札幌は何回も降格していて、その都度、辛い思いをさせられた。それと同時に、下のカテゴリーで戦う次の1年が、とてつもなく長いと絶望感に打ちひしがれた。1度上のカテゴリーで戦うと、2度と降格は味わいたくないのである。

 

    一方、昇格するチームは素直におめでとうの世界。特に今回初めてJ2に昇格するJ3の岩手グルージャ盛岡は、ぎりぎりの闘いで何とか2位に滑り込んだ。たまたまネットで盛岡のサッカー掲示板を覗いたら、多くの他チームのサポーターからお祝いメッセージが寄せられていて、心がほっこりさせられた。盛岡は来年J2リーグ初参戦であるから、初昇格のお祝いムード満載。こういうのを見るにつけ、垣根を越えたサポーターの存在っていいなあとつくづく思う。

 

    泣き笑いも先週で終わり、早くも来シーズンに向けて各チームは監督人事や補強へと歩みを進めている。サッカーシーンだけで見ると1年間はあっという間だが、チームの動向や試合結果を常に気にし、勝てば喜び、負ければ悔しい1週間。負けると不機嫌というのも、サッカーが日常にあるからに他ならない。そうして生活に息づくサッカーの存在が、生きる喜びにつながっているのも、紛れもない事実である。

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陽はまた昇る