笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字936は「揺」。焚き火の揺らぎは精神安定につながる

今日の漢字は「揺」。動揺、揺るぎない自信、貧乏揺すり。

 

 最近、キャンプでの焚き火が人気である。この前、ホームセンターのキャンプコーナーに行ってみると、焚き火用の薪が箱に入って大量に売られていた。それくらい薪や焚き火の需要があるのだ。北海道はこれから冬に入り、キャンプ需要は激減すると思われがちだが、昨今のコロナ禍に伴うキャンプブームで、道内のキャンプ場は冬も営業をするところが多いらしく、その点からも焚き火や薪の需要はあるのだ。

 

   テレビを見ていても、キャンプ芸人やソロキャンパーがキャンプ場で料理をする姿とともに、焚き火をするシーンが映し出される。番組で取材される多くのキャンパーたちは、「焚き火をしていると心が癒やされる」とインタビューに答える。

 

   焚き火の思い出で言うと、7,8年前になるが、家族でニセコ近くのキャンプ場でキャンプをしたときのこと。そのキャンプ場には、薪が有料で売っていて、キャンプサイトで焚き火ができる仕様になっていた。そこで私も興味をもち、早速薪を買い、焚き火にチャレンジした。

 

    夕飯を食べたのち、薪に火を付けると、パチパチと音がする。火は延々と、かつゆらゆらとただ揺れるだけ。しかしなぜか落ち着く。家族もただ火を見つめてるだけだが、大自然の中で、原始時代に戻ったかのような錯覚に陥る。小一時間ほどで木は燃え尽き、焚き火ショーは終わったが、癒やされる時間が流れたような気がした。

 

   そういう経験を一度していたから、テレビに映るキャンパーたちが焚き火にのめりこみ、そして焚き火に癒やされるというのも至極納得できるのである。



    焚き火の効用について、ネットで調べると、炎の揺れや電車の揺れ、川のせせらぎなどは、1/fゆらぎといって、自律神経が整えられて、精神が安定するという。また、焚き火が燃えていると、そこだけ何も考えずに集中して見るから、一種の座禅のような、「マインドフルネス」状態になるという。火を見ることが自然と瞑想状態に陥ることになるようである。

 

   確かに、ニセコで焚き火をした時も、家族でほとんど話をすることもなく、ずっと焚き火を見つめていた。都会では焚き火などできないから、自然の中で普段経験できない事に集中することもあるが、心の奥底で癒やしを求めているのかもしれない。原始時代には、普通に火を起こし、獲物の肉を焼いたり、猛獣を遠ざけるために火を利用していたが、我々の遺伝子のなかに、「火を愛する」「火とともに生きる」という潜在感覚が刷り込まれているような気がする。

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揺れる想い」はZARDの名曲