笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字934は「可」。子供には愛情を持って可愛いがろう

今日の漢字は「可」。可能、許可、可決、可憐、可児市

 

   金子耕弐氏のファミリートーク。子育てに大切なことは、「時間と感動の共有」「親の権威(リーダーシップ)」、「愛情」。今回は3番目の愛情について。

 

    13世紀、神聖ローマ帝国フレデリック2世が、恐ろしい実験をした。好奇心旺盛な王様は、何も言葉をかけずに赤ちゃんを育てた場合どうなるか、壮大な実験をした。

「赤ちゃんにはおっぱいをたくさん飲ませ、おむつを換え、お風呂に入れて寝かせる。ただし一言も声をかけてはいけない。だっこして可愛がることも禁じる」。

    さて、当時の人々は赤ちゃんが成長してどのような言葉を喋り始めるのか、興味津々。しかしその実験は誰も予想できない結末となる。話しかけられず、可愛がられることもなかった赤ちゃんたちは、何と全員が1歳の誕生日を迎えることなく死んでしまった。

 

    十分な栄養が与えられ、清潔も保たれていたにもかかわらず、赤ちゃんたちはやせ細って死んでしまったのだ。これはつまりは赤ちゃんの集団孤独死とも言える事件だ。

 

    生まれたばかりの赤ちゃんは、言葉を知らないが、毎日話しかけられたり、あやされたりすることで、命を保たれているのである。いかに子供の発育、育成には愛情が大事かということが良くわかる。



    最近は子供を虐待したり、水も食べ物も与えずに放置するという残虐な事件が耐えない。

    親が本能的に兼ね備えているはずの子供に対する愛情がまるで備わっていない親がいかに多いかと金子氏は嘆く。とは言え、こうしたケースは稀であり、ほとんどの親は自分の子供の幸せを願って愛情を注ぐ。しかしながら最近は愛情を注ぎすぎて子供の自立や成長を阻害する事例も散見される。「子供を愛しすぎる親」は、子供が将来一人前の大人になって巣立っていくことを願うべきなのに、いつまでも自分がいなければ生きていけないような依存関係を築いている。そのような親は子供の面倒を見ることが自分の役割と存在意義を感じ、それが生き甲斐となる。子供に良かれと思う愛情は、実は自己満足の愛情で、決して子供のためにはならない。今の子供のひきこもりや、8050問題も、親の溢れすぎる愛情がその根底にあるのかもしれない。

 

   金子氏は最後に「子供を一人前の大人に成長させるためには、年齢に応じて守り、助け、教え、自分でやらせ、褒め、励まし、叱り、と色々な要素を必要なときに必要なだけ与えたり控えたりするバランス感覚が重要」と述べている。



    その根本には、子供をひとりの人間として尊重し、愛情を過不足なくバランス良く子供に与え、一緒に成長していくという気持ちをもって全力で子育てをしていかねばならないのだと思う。

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可憐な花は綺麗だ