今日の漢字933は「適」。悠々自適はもはや死語
今日の漢字は「適」。適当、適任、適応、適量、快適。
「定年オヤジのしつけ方」(小川有里)の本で、定年後の夫にどう対応するかの極意が示されている。2019年の日本人の男性の平均寿命は81歳。2006年時点で79歳だから、13年で2年上がっている。2030年頃にはおそらく83、84歳、へたすれば85歳にまで伸びているかもしれない。何とも恐ろしい。65歳で定年になってもまだ20年という長い期間がある。睡眠を除いた時間で1日16時間としても20年間で11万6千時間。1年間の会社での実労働時間が2000時間として、40年働いて8万時間。それを遥かに上回る時間があり、そう考えると気が遠くなる。
小川氏によると、定年後、仕事を辞めて何をしたらいいかわからなくて戸惑う定年難民、定年迷子の男性が増えているのだそう。そんな20年を夫婦二人で過ごすとなると、妻はうんざり。夫源病連発ではないか。そんな自立した夫を育てるための彼女の指南を下記に書く。
1.お昼は夫が自分で作る。昼くらいは食事面で自立させる。
2.「お通夜ご飯」にしない。会話をなるべくする。
3.家事をさせる。食器洗い、洗濯、掃除。何でもいいから家事の必要性を理解させる。
4.二人の世界にこもることは不仲の元。家庭平和のために夫は外出を心がける。
5.夫婦別寝のすすめ。お互いの安眠に必要。
6.夫のポチ(犬)化を食い止める。濡れ落ち葉ならぬよう、また、主人(妻)がいないと何もできないポチにはしない。
7.趣味なしでは、時間がもたない定年後。無趣味夫をやる気にさせる。しかも一人でやらせる。一人で習い事などを始めると、友達ができる。
8.2ケ月に1回は二人で出かける。
9.夫の地域デビューを応援する。
10.夫の仕事意欲を刺激させる。週イチでも仕事をするよう、仕向ける。
11.お互いに干渉しない。
12.マイ通帳を持つ。
13.作男にさせる。作男とは、庭木、野菜、花などを慈しみ、育て楽しむ趣味。最近は都会でもレンタル農園が人気のようである。
以上、なかなか厳しい指摘の数々である。
「定年になれば、悠々自適でのんびりして、1年に1度くらいは海外旅行」と言っていたのは、平均寿命が70代の時代。今や悠々自適でいるとあっという間に認知症になり、ボケたまま10年を過ごすリスクがある。世の男は、昭和時代の定年退職者のイメージを払拭し、「自らが動き続ける」しかないのである。
結局は、現役時代と違い、夫が家にいることに対し、どう二人が向き合っていくかということになるのだ。同氏は、夫が「今日何をするか」をその日に決めて妻とうまくやっていくことは難しいと指摘する。そして定年後の夫婦で大切なのは、
・減らせるストレスを減らす努力
・夫婦で向き合って楽しく暮らす努力
が大事なのだとか。
アラ還の小生もこれらの指摘をしっかり胸に刻み、自ら動けるよう、今から上記のことを実践しよう。