笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字931は「緊」。緊張感は脳へのエキスだ

今日の漢字は「緊」。緊迫、緊急。

 

    人は誰しも緊張感を経験する。子供の頃は、学校の学習発表会や習い事で発表する時、社会に出てからは、顧客や役員の前でのプレゼンや、結婚式での挨拶など、人前で話す場合は、緊張することが多い。

 

    私もご多分に漏れず、元来があがり症で、人前で喋る時などは、緊張で心臓が口から飛び出るのではないかと思うくらい、心臓がバコバコする情けない性格である。いざ話始めてうまくしゃべれればいいが、噛んだりどもって失敗などしようものなら、1日、2日は落ち込んでしまう。緊張感が深い時ほど失敗しやすいようである。


   齋藤孝氏が著書で、「人間なのだから、緊張するのは当たり前。そのようなシチュエーションの場合は、客観的に自分を俯瞰し、今、自分は緊張しているのだ と言い聞かせるくらいの方がうまくいく」と言っているが、普段から話し慣れている大学教授だからそう言えるが、素人には無理である。

   また、こうも言う。「緊張している時は、体を動かせるといい。体をほぐすと、緊張がいい意味で弛緩されて、脳は緊張していないと騙される」。確かにこれは効果がありそうだ。しかし人前で喋る前にジャンプしたり、頭をぐるぐる回したりなどすると、「あのプレゼンターはおかしいんじゃないか」と指をさされそうである。

 

緊張感は人前でよく感じると書いたが、それ以外の緊張感で、印象に残る経験を。

 

    大学3年生の時に、無謀にも一人海外旅行でフランスに行った。当時はプラザ合意前の1ドル230円の円高時代で、海外旅行をするにはお金のかかる時代だった。

    パリのシャルル・ド・ゴール空港から電車に乗ってパリ市内へ。着いたのはどこかの駅。電車を降りてプラットフォームに降り立った瞬間の緊張感は今でも忘れない。初めての異国。初めての土地。しかも一人。周りでは知らない言葉が飛び交っている。全員が外国人。私目当てにへんな奴が近づいてこないだろうか。恐喝されないか。治安は大丈夫か。そんなことが脳を駆け巡り、アドレナリンが脳をかけ巡った。とにかくあたりをきょろきょろしつつ、お登りさんに見られないよう、顔をこわばらせながらでくのぼうのように突っ立っていた。

 

    初の異国は、なかなか言葉では言い表せない独特の緊張感で、未だあのような異質の緊張感に再会したことはない。でも体力も気力も好奇心もある、まだ20代前半のこの時の行動は、無鉄砲であったかもしれないが、経験して良かったと思っている。

 

    初めて経験することの緊張感は、歳をとるにしたがって減っている。時には脳に刺激を与えるためにも、程よい緊張感でハートに鞭打つことも考えたいところである。

f:id:laughing-egao:20211130170359j:plain

緊急事態発生でトイレに駆け込む