今日の漢字916は「湧」。囲碁から派生した言葉に興味が湧く
今日の漢字は「湧」。湧出、湧水、石油が湧く、北海道湧別町。
囲碁にまつわる言葉は多い。
「一目置く」
囲碁では、弱いほうが先に石を置くことから、才能や力のある相手に敬意を払うこと。
「あの先輩は経験、実績とも申し分ないから、経営陣から一目置かれている」
「駄目」
相手にとっても自分にとっても得にならない目。白でも黒でもない無駄な場所のことで、石を打っても陣地が増えないこと。
「船が沈んでもう駄目かと思いました」
「駄目押し」
お互いが念の為、駄目に石を埋め合って勝負を確認すること。万が一のために確かめる、すでに十分なのにさらに追加する意味。
「日ハムは9回表の攻撃で、3点とって駄目を押しました」
「布石」
本格的な戦いが始まる前に勢力圏を築くために石を置くこと。
「あいつは自分が希望する部署に異動できるよう、そこの部長にお歳暮を贈る布石を打っていたようだ」
「岡目八目もしくは傍目八目」
対局している人よりも、隣で見ている人の方が冷静に考えることができ、八目先まで読めることから。
「あの監督は選手がミスをすると熱くなって叱り飛ばすんだ。俺は傍目八目の立場から冷静になるよう、監督をうまく和らげるアドバイスするのさ」
「白黒をつける」
物事の是非、善悪、真偽などを決める、決着をつける。
「A子は俺のことが好きなのか、おまえのことが好きなのか、直接A子に問いただして白黒つけようぜ」
「捨て石」
囲碁であとあとの利益にために、わざと相手に取らせる石のこと
将来、または大きな目的のために、その場では無用とも思える物事を行うこと。
「社長を守るために、私が捨て石になりましょう」
「八百長」
真剣に勝負をするように見せかけて、実は前もって約束しておいた通りに結末をつけること。囲碁の実力がある八百屋の長兵衛が、その実力を偽り、野菜を買ってもらえるよう、客に対してわざと負けたりしたことから。
「あのプロサッカーチームの監督は、今のリーグに残留するために、相手のチームの監督に八百長試合をもちかけたようだ」
「定石」
物事を処理する場合、「これしかない」という決まった仕方のこと。
「定石の販売方針を展開したところで、今の競争時代は勝ち抜けない」
「死活」
囲碁では、自分にとって有利な強い石を「活き(生き)石」、相手に取られてしまう石を「死に石」と呼ぶ。対局において石の活き死にはとても重要となるため、一般的に「極めて重要な問題」という意味で使われるようになった。
「あの会社と取引できるかどうかが、我社にとっては死活問題だ」
普段何気なく使っている言葉は、囲碁を語源にしていると思うと、囲碁に愛着が湧きそうなものだが、囲碁をやらない小生としては、言葉だけを思い起こしながら有効活用したい。