笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字911は「総」。豊浦町の海産総選挙はユニーク

今日の漢字は「総」。総合、総会、総力戦、総括、総理、総督。

 

    衆議院解散総選挙が先日行われたが、同じ日に行われたのが、「海産総選挙」。北海道の豊浦町が、選挙の日に合わせてユニークな試みを展開した。

   これは、豊浦町の海産物をPRしようと、観光協会が地元噴火湾で採れた海産物の人気投票を企画したもの。4年前に初めて開催され、今回が2回目の選挙となる。

 

   エントリー(立候補)は、ホタテ、毛ガニ、ウニ、ボタンエビ、鮭、カキ、ブリ、カレイヒラメの8候補者。実際の選挙さながらに各候補者のポスターも作成し、ホームページに掲載、全国から投票を募った。(投票者には抽選でホタテプレゼントのおまけ付き)

    投票総数は約25000票で、映えある栄冠に輝いたのは、「ホタテ」。およそ7000票を獲得し、2位の毛ガニの4000票を大きく引き離してのトップ当選。前回の選挙と同じ結果で見事V2を果たした。3位はウニ、4位はボタンエビ。最下位は残念ながらカレイヒラメとなった。

 

    今回の選挙結果は、地元の印刷会社がスポーツ新聞風に記事にしてホームページに掲載。記事によると、「やっぱり噴火湾のホタテがナンバーワン。今回も格の違い(稚貝)を見せつけた」とダジャレも入る評価ぶり。また、今回2位となった毛ガニは、前回の5位から大躍進。事前の「魚論調査」では、秋鮭収穫の時期ということもあり人気の高かった鮭は、いざ蓋を開けてみると5位に沈んだ。「噴火湾に鮭あり」のイメージ定着にはまだ遠かったようだ。

 

    この豊浦町の海産総選挙のニュースは地元ローカル局だけではなく、全国ニュースでも取り上げられ、豊浦町の名前を全国に広めた。衆議院議員の総選挙が開かれるという絶妙なタイミングと、解散と海産をかけ合わせたネーミングがばっちメディアの目に止まった。

    ニュースを通じて豊浦町の名前が全国的に知られることは、地元の海産物を全国の消費者にPRできるとともに、ふるさと納税への寄附への期待が大きく膨らむ。北海道の自治体への寄附という観点で見れば、ただでさえ、「北海道の海産物」のブランド力は大きく、返礼品のニーズが高い。その反面、海産物が多く採れる道内沿岸地域の自治体は各々が競争する環境にもある。

 

    そこに「海産総選挙1位のホタテの豊浦町」のブランドイメージが定着すれば、大きな商機にもつながる。しかもホタテだけではなく、鮭やカキも地元で採れる意外性もさりげなくPRするという、なかなかしたたかな戦略もとっている。

 

    政治イベントと地元産品PRをうまく結びつけたこの手法は、普段自治体ではあまり見られないナイスなアイデアであるとともに、選挙ウィークで連日の選挙報道に疲れた有権者への一服の清涼剤となり、より注目度が上がった。ただし、この企画は毎年できないというジレンマも抱えており、今後どうイメージ定着をさせるか、町の手腕も問われている。

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