笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字910は「戻」。通常モードに戻ろう

今日の漢字は「戻」。逆戻り、払い戻し。

 

    ようやく通常モードに戻る。まあ我ながら47都道府県ネタをよくも無理やり引っ張り出してきたものだと感心している。お陰様で全国津々浦々のサッカーチームには詳しくなった。J3JFL、時には地域リーグまでも視野を広げることとなった。結果的にサッカー文化が地域に根付きつつあることがよくわかった。

 

   Jリーグが創設された頃、サッカーが盛り上がるかどうか、懸念する声もあった。ライバルプロ野球は隆盛を極めるとおともに、脅威となったJリーグに挑戦状を叩きつけてきた。

    サッカーにお客が奪われることを懸念した読売新聞の某オーナーは、「読売ヴェルディ」と企業の冠を載せることを強行に主張した。しかし川淵当時チェアマンは、絶対にそれを認めず、地域名を付すことで突っぱねた。その結果、次第にサッカーは「おらが街のクラブ」として根付き、地域が一体となってチームを支援する空気が当たり前になった。もしあの時、読売ヴェルディや日産マリノス、三菱レッズ、日立レイソルのようなチーム名になっていれば、サッカーと地域のつながりはここまで強くならなかっただろう。地方の小さなクラブは大スポンサーなど見つけられないから、サッカーチームが簡単にできなかったかもしれない。しかし地域の一体感を全面に押し出すことで、中小企業や商店、個人が応援できる体制となり、チームを後押しするハードルが低くなった。57チームというチーム数がここまで増えたのも、Jリーグ100年構想で、地域に根ざしたスポーツ文化を作りあげるという当時の理念が間違いではなかったことが証明している。

 

   一方のプロ野球は相変わらず12球団のまま増えずにここまできている。保証金が25億円という額など簡単に払える企業はなく、仮に参入しようとしても、蜂の巣をつついた大騒ぎになるだろう。参入障壁を作り黒船来航を拒む江戸幕府のようなもの。昭和のビジネスモデルを未だにひきずる古い体質と言わざるを得ない。長い目で見れば、どちらが隆盛し、どちらが衰退するかは既に答えが出ていると思う。

 

   個人的な感想でいえば、イングランドのサッカーチームを応援するサポーターのように、おじいちゃんから孫まで3世代に渡って同じチームをずっと応援し続けることに感動する。しかもそのチームが2部だろうと3部だろうとお構いなし。チーム自体に愛着を持つ。それくらいイングランドの人々にとってサッカーは生活の一シーンであり、祖父が孫に語り継ぐネタ、いわゆる語り草にもなっている。その歴史の重みにはため息をつくしかないが、Jリーグも3世代で語り継がれるよう、その歴史を一歩づつ積み重ねていかなければならないと思う。

 

   さあ、今日もサッカーを見よう。と土日が来るたびにワクワクする自分がいる。生きている楽しみをサッカーから見つける。そんなささやかな楽しみがあるだけでも、サッカーチームという存在に感謝したいと思う。

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戻入は「れいにゅう」という