笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字901は「殿」。笑いの殿堂、大阪の「アホ」について考える

今日の漢字は「殿」。殿下、殿様、宮殿、殿方、神殿、御殿場。

 

   大阪。とにかく面白い地域。大阪の友人が何人かいるが、総じて面白いやつが多い。会話をしていても、必ず「オチ」に持っていく姿勢がさすが笑いの殿堂国、大阪。会話をしていても「ほんでオチは?」とか、「なんや、オチはないんかい」とか、最後は馬鹿にされるケースが多かった。なかなかコミュニケーションレベルが高い地域でもある。

 

    関西以南と関東以北で明らかに言葉の遣い方が違うのが、「馬鹿」と「アホ」。ご承知の通リ、西日本はアホが主流で東日本は馬鹿が主流。だから北海道も馬鹿を使う。

 

    大阪の代名詞でもある「アホ」。私が関西に住んだとき、最初はこの「アホ」がかなりきつく感じた。最初はあたかも人格が否定されているように聞こえ、心にぐさっときたものだ。でもそのうち慣れて、馬鹿よりもソフトな響きに聞こえ、馴染むようになっていった。

    私のいたバイト先に入ってきた東京出身の1年生の後輩は、仕事のミスで会社の人からアホアホ言われ続け、かなり落ち込んでいた。私は彼に向かって「アホという言葉は最初はきつく感じるけど、そのうち慣れるから」と諭した。アホが使い慣れていくと、だんだんとこの言葉に愛着が湧いた。

 

    馬鹿とアホを両方使う地域に身を置いて感じたことは、「馬鹿」の方が直接的できついということ。「バカヤロー」に代表されるように、上司からこの言葉を吐かれると、立ち直るのがつらい。大概が「バカヤロー。何やってんだ」との定型句で語られる。これはきつく感じる。漫画的には、上司が頭から湯気を出すイメージか。

    しかしこれがアホなら、「アホちゃうか。なにしてんねん」。この表現には、まだ逃れられる余地というか、婉曲的で隙間がある気がする。アホの背景には「しょうがねーなー」との気持ちが隠されていて、「失敗しても可愛いやっちゃ」の気持ちが1ミリでも入っているように思う。漫画的には、横山ノックが部下に言うシーンか。どこかに笑いの要素がある。

 

   アホには、アホと言いながらもどこかで相手を許す気持ち、心の余裕が感じられるのである。だから北海道で生まれ育った私の子供たちに対しては、叱る時はアホを使った。決して甘やかすわけではないが、叱る要素と、どこかに逃げ道を作る表現がこの「アホ」に凝縮されていると分析している。

 

   さて、サッカーはガンバとセレッソ。ともに前身がパナソニック松下電器)、ヤンマーディーゼルと、どちらも名門。ガンバの方が歴史が古いから、大阪の中心はガンバのホームタウンかと思いきや、そうではなく、大阪市堺市などの主要都市のホームタウンはセレッソというから意外だ。ガンバは吹田市池田市など大阪府の北エリアを本拠地として差別化を図っている。同じ県や同じ市でのダービーマッチは、浦和と大宮が対戦しなくなって以降、大阪ダービーが日本で一番熱いような気がする。リーグ戦ではガンバが23勝12敗とセレッソを圧倒しているが、セレッソもそれに反発すべく、熱い戦いが期待できる。無骨なイメージのガンバと、セレ女に代表されるように軟派なセレッソで関西のサッカーシーンを盛り上げ、タイガース一辺倒の野球文化をぜひ打破してほしいと思っている。

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神殿と言えば、アブシンベル神殿