笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字861は「施」。無財の七施を実行しよう

今日の漢字は「施」。施設、施行、実施、施策、施工、施錠、布施博

 

無財の七施という言葉がある。

眼施・・常に温かくみつける眼差し。

和顔施・・穏やかな笑顔で人と接する。

言辞施・・優しく、時には叱る。愛情のある言葉をかける。

身施・・自分の体を使って自分にできることを奉仕する。

心施・・相手の立場に立って思いやりのある心をもって人に施す。

床座施・・席や場所を人に譲る。

房舎施・・旅人などに自分の家を宿として提供してあげる。

 

   普段からこの七施を実践することはそう簡単なことではない。

 

   身施は、ボランティアなどで社会奉仕をすることで、地域社会のためになるし、床座施は電車で席を譲るという行為がそれとなる。

 

    和顔施は、日本人の得意分野。東京オリンピック招致の際に、滝川クリステルが日本の「おもてなし」をアピールして、それが決定打となったほど、日本のホスピタリティ力は素晴らしい。オリンピックが普通に開催されていれば、「顔が平たい族」の象徴である日本人が和顔施を発揮して、にこにこと外国人に接したことであろう。

 

    そういう意味では、日本人は特に教育を受けることなく、マニュアルもなく自然と和顔施の振る舞いができると思う。それは素晴らしい能力であり、先人たのふるまいが脈々と受け継がれているのではないかと思う。

 

    言辞施は、最近の傾向としては、直接声をかけるというよりは、ネットでのやりとりが多いか。ブログやライン、チャットなどさまざまなITツールで、新型コロナウイルスや心の悩みごとを解決する。文字を打つことで悩み事を聞いたり、解決する手法は今のトレンドかもしれない。若い人たちは、生身の人の声や音声よりも、文字情報に触れた方が安心するのかもしれない。

 

    房舎施は、防犯面から現実的に難しい。30年以上前になるが、我が田舎の実家に、ドイツ人カップルが現れた。実家の近辺は、観光地など皆無だが、なぜか徒歩で北海道各地を回っており、たまたま夕方近く、実家の前を通りかかった。私はその頃は実家にはおらず、母親が対応。ドイツ人カップルの目的は、我が家の庭先にテントを張って野宿するというものだった。実家は農家で敷地は十分にあるし、家の外なら防犯の問題もない。庭には芝生が植えてあるし、外には水道もある。勝手にテントを張って寝るだけだから、どうぞご自由にの世界であった。母はその際、二人の写真を撮影し、帰り際、帰国後送るからと住所を聞いた。しかし母親は英語で手紙を書けないから、冬に帰省した私に対し、写真を託した。しかし私はいつしかそのミッションを忘れ、写真を送ることはなかった。私は手紙を書くという身施を怠っことを今でも悔やんでいる。

   

    普段から無財の七施を考えながら行動すると、周りの景色の見え方や自らの考え方も変わってくるかもしれない。

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仏教の「お布施」はいい言葉である