笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字854は「駄」。無駄な時間を過ごすのは勿体ない

今日の漢字は「駄」。駄作、駄弁、駄洒落、駄菓子、雪駄

 

   64歳の百田尚樹が残りの人生を顧みて、時間がいかに限れた存在であるかを嘆くとともに、20代の頃、相当無駄に時間を過ごしていたことを反省している。

    百田氏の主張はもっともで、若い頃は時間が永遠にあるように感じられるから、「時間が過ぎ去る」感覚が麻痺する。結果、「暇潰し」や「時間を潰す」として、好きでもないことをしたり、だらだらと無為に過ごしてしまう。今思うと何と勿体ないことだったかと思う。

 

そんな無駄に過ごした事例を振り返りたい。

 

    最大の勿体ない時間の過ごし方はテレビゲーム。学生時代と、社会人となって結婚して子供ができるまでは、ゲームにはまり、かなりな時間をゲームに費やした。

   特にロールプレイングゲームドラクエファイナルファンタジー信長の野望にはドハマリした。一人暮らしの休みの日には、朝起きたら電源を入れてゲームをスタートさせ、昼飯も食べず、夕方になってもカップラーメンを食べながらコントローラーを手放さず画面とにらめっこ。気がつくと夜9時くらいになっていて、トータル12時間くらいは平気でゲームに没頭していた。

 

    やり出したら止まらないのがゲームの中毒性であり、多くの子供たちがはまるのも理解できる。テレビゲームは人間の飽くなき欲望を簡単に達成させ得るツールでもある。しかし、なぜかオールクリア後の達成感は今ひとつ。「感動した」という声もあるが、大抵は「やれやれ、ようやく終わったか」の安堵の方が大きかったような気がする。

 

    子供が生まれてからは、さすがにゲーム中毒はまずいと思い、知人にゲーム機本体を売払い、封印した。今思うと、ゲームをしたことによって得たメリットは何もなく、ゲームに費やした時間は本当に無駄だったと思う。

 

    お次はマラソンについて。今は体調を崩したためマラソンはやめたが、一時期フルマラソンにはまっていた。大会も何度か出たが、42キロを走り切るためには、それなりの練習をしなければならない。その頃はランニング雑誌「ランナーズ」を愛読し、練習方法を実践していた。

   それによると、平日は10キロ練習、休日はLSDといって長い距離をゆっくり走って走力をつけろとあった。早速実践し、土日は20キロくらい走るトレーニングを継続した。しかしいざフルマラソンの大会に臨むと、35キロ地点でがくっと力が落ち、タイムが伸びない。

    ランナーズによると、「LSDは、できれば40キロくらいは走りたい」とある。真面目な私は土日、河川敷を40キロ走るトレーニングを実践した。40キロをゆっくり走ると5時間くらいかかる。その間、何も食べず、水を飲むだけ。それである程度走力がついて、フルマラソンを4時間程度で走れるようになったが、マラソンをやめた今、改めて思うと、何と無駄な時間の過ごし方だったかと思う。

 

    マラソン練習をやっているうちは、とにかく早く走りたいという欲望を満たすために頑張れるが、4時間も5時間もひたすら走るのは少しやりすぎである。運動不足解消どころか、体を酷使しすぎて逆に不健康にしてしまう。「適度な運動」の範疇を越えて体を痛みつけるマラソン練習は大いなる時間の無駄だと、今になってつくづく思うのである。

 

    その他にも、あてもなくダラダラとテレビやネットを見るとか、無駄な時間の過ごし方はあるが、「休息」とは紙一重である。特に50代以降は残された時間は少ないのだから、休息にかこつけて、だらだらと無駄な時間を過ごすのではなく、本を読んだり動画サービスで映画を見て感動したり、「死んでしまったらそれらができるか」という観点で、アクテイブに記憶に残る時間の有効活用をしたいものである。

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下駄という履き物を見かけなくなった