今日の漢字849は「区」。政令指定都市の区別名は味気ない
今日の漢字は「区」。区切り、区域、区画、選挙区、区別、禁猟区。
日本全国には、1741の市町村数がある。
市町村名は、日本地図でもしっかりと明記されているし、ふるさと納税などで知名度を上げる自治体もある。
その中でも政令指定都市は20都市。ほとんどは県庁所在地でもあり、知名度抜群。しかし政令指定都市の行政区ともなれば、その名前自体は、その都市に住まない限り、知っている人はほとんどいない。
そもそも自治体と違って、政令市の各区は、わざわざ区名の知名度を上げる必要はなく、そこに住む住民が知り、理解していればいいだけの話。だから晴れて政令市になり、新たに区名を命名するにしても、役所の真剣さが出てこないと推測する。
その証左が、味気ない区名のオンパレード。東区西区南区北区、中央区または中区。地理上で単なる市域の北とか南とか単純すぎる。東京23区の区名がバラエティに富んでいるだけに、余計に他の政令指定都市の区名の味気なさを感じてしまう。札幌などはまさにそのパターン。味気なさ1000%である。
住民にしてみたら、政令指定都市になることは、大都市の仲間入りでもあり、住民満足度は上がる。住所に○○区と書けることが自慢の種と思う人もいるだろう。そんな虚栄心を満たす大都市化ではあるが、だからこそ、もう少しひねりを効かせた区名にできないものかと思ってしまう。
そうは言いながら、個人的にいい区名だと思うものもある。
例えば浜松市天竜区。富士川、大井川、天竜川の静岡3大河川のひとつが流れる区だとすぐ理解できる。こういう区名は一度聞いたら忘れないし、河川に対するリスペクトがあって好きである。
広島市安芸区。安芸は広島の旧国名。「安芸の宮島」の固有名詞は超有名。そんな安芸区は風情満載の趣。しかし高知県の安芸市と間違えられそうである。
仙台市青葉区。独眼竜伊達政宗が居住した青葉城もまた有名。佐藤宗幸の「青葉城恋歌」も昭和の代表的ヒットソング。緑多き街の区のイメージにつながり、ここの住民になりたくなる。爽やかな響きがいいい。
名古屋市熱田区と瑞穂区。熱田神宮があるとはっきりわかる熱田区。瑞々しく稲穂の実る瑞穂の国を想起させる瑞穂区もいい。何となく神のご利益が得られそうであり。
新潟市秋葉区。秋葉神社にあやかった区名だが、これまた神のご利益がありそう。
結局は個人的趣味の範疇になってしまったが、味気ない区名よりは、歴史や自然を想起させる区名の方が愛着が湧くと思うのである。