笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字846は「恨」。遺恨試合はなかなかない

今日の漢字は「恨」。遺恨、痛恨、悔恨。

 

   オリパラも無事に終わったが、総括的にオリンピックを振り返ると、つくづく地の利があるのだと思う。

 

    外国人選手はコロナ禍のなか、行動にさまざまな制約があるし、慣れない選手村生活、ねっとりとした暑さの東京の気候、食事も自国の慣れた食べ物ではないから、完全にアウエー状態。しかもいつもは応援する観客がいるが、今回は無観客で観客の声援が力になることもなかった。

 

    反面日本選手は、慣れた気候風土、使い慣れた運動施設、食生活も普段と変わらないから、ストレスが少ない。普段通りの力を発揮しやすかったと言える。残念なのは無観客なことで、もし大応援団による「ガンバレニッポン」コールでも起きようものなら、選手はもっと力を発揮できたかもしれない。男子体操団体は残念ながら銀メダルだったが、もし満員の観客の前で演技したら、声援や会場の空気につられ、審判が微妙に日本人選手に有利な得点を出したのではないかと思ってしまう。

 

    ただ、毎回の大会で必ず見かける「日の丸おじさん」も今年は不在だし、ワーワーガーガーの雑音がないから、各競技を集中して見る分には良かった。観客がいた方が盛り上がるのは必至ではあるが、会場の雰囲気に惑わされず力を発揮できるのは、ある意味客観的で良いと思う。

 

    これがサッカーの国際大会となると、会場の雰囲気はがらりと変わり厳しさを増す。W杯のような重要な大会の予選となると、アウェーチームは神経を尖らせる。嫌がらせとまではいかないが、細かい意地悪をして選手たちを撹乱しようとする。いざ試合になると会場は殺気だっていて、アウェーチームに対してはブーイングをかませる。とある日本代表選手がW杯予選で中東の国で試合をした際に、ものすごくやりずらく、ストレスを感じたと言っていた。サッカーの国際大会はまさに戦争。スポーツという名を借りた、国の威信をかけた代理戦争なのである。

 

    2002年W杯日韓大会のとき、札幌でイングランド対アルゼンチンの試合があった。ベッカムのPKでイングランドが勝利したが、その時の試合はフォークランド紛争の代理戦争と言われた。スポーツと政治は切り離すべきなのだろうが、このように過去の国家間の遺恨の感情を敢えてぶつけて闘争心を煽るのが、今のスポーツの現状なのかもしれない。

 

    そう言いながらも物足りないのが、サッカーにおける日韓関係。前にも書いたが、今回もW杯アジア最終予選の組み合わせは、日本と韓国が別の組となった。1998年のフランスW杯アジア最終予選で対戦して以来、W杯予選では戦っていない。毎度日本はオーストラリアと同組で、一方の韓国は相変わらず中東チームとのグループ分けで、運営に無駄な労力を使わない意図がミエミエ。政治的にも日韓の今の状態は冷戦状態であり、サッカーで対戦するとなると、大騒ぎになることは必至である。お互いに遺恨をぶつけ合うことは間違いない。イチサッカーファンとしては、韓国を破ってこそW杯大会にという思いはあるが、火に油を注ぐようなことはしないのだ。

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恨み言を言うのは良くない