笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字827は「快」。ギャンブルは快楽の源

今日の漢字は「快」。快調、快活、豪快、快速、軽快。

 

   ドーパミンがもたらす快楽の大きさがある。

   ドーパミンは自分へのご褒美として分泌される物質で、何らかのリスクや努力を伴って得た成果が脳にとってはより大きな快感につながる。それを求め続けると依存症になる。

    その一例がパチンコなどのギャンブル。

    ギャンブルには、「負けるかもしれない」というリスクが常に伴うほか、パチンコであれば自分でハンドルを操作しつつ、「当たれ」と念力を送って挑戦し、当った瞬間に「自分で必至でやって報われた」としてドーパミンが分泌される。こうした努力は毎日続けても苦にならないから、いつの間にか依存症につながっていく。

 

    私はギャンブルはしないので良くわからないが、パチンコ店は至るところに立地している。

    2018年にIR法が成立し、カジノ誘致の機運が一気に盛り上がったが、世界的に見てもリゾート地のような人里離れた土地でカジノをするのが世界の常識。一方自宅からサンダルとジャージで手軽に商店街の一角でギャンブルができる日本のパチンコは極めて特殊である。

 

    レジャー白書によると、パチンコの参加人口は890万人。国民全体の約7%を占める。しかし驚くのはその市場規模。何と20兆円にも及ぶ。

    同じ市場規模を調べてみると、電力業界が21兆円、食品業界が20兆円と出てきた。1億2千万人全てが使う電気、もしくは国民全員が食べる食品規模と同じ市場規模をパチンコ業界が担っていることにびっくりした。

 

    20兆円を890万人で割ると、ひとりあたり220万円を消費している計算になる。負ける人、勝つ人さまざまいるが、考えてみれば、パチンコ会社の懐に合計で20兆円もの資金が流れ込んでいるとすれば、アホらしいを通り越して呆れてしまう。

 

    電力業界は電気を送るために日夜奮闘している人がいる。食品業界は美味しい食べ物や健康にいい食品を工場で作って消費者に届けている。どちらも社会のために貢献する姿勢がある。それと同じ規模のパチンコ店が単なるギャンブルの濡れ手に粟で20兆円を手にする。何かの社会貢献を彼らがしているかと言えば、それは無であろう。

 

    加えて、ある資料によると、世界のカジノ市場の総額は1828億ドルの22兆円。世界中のカジノを合計してこの数字なので、いかに日本のパチンコは巨大なギャンブル市場であるかがよくわかる。

 

    これほどの規模と、ドーパミン効果で依存症になろうとも、国は全く規制するそぶりはない。パチンコ店の駐車場の車内に子供を放置して遊ぶ母親が問題視されたし、生活保護支給日にパチンコ店が繁盛する実態がありながら、すべて自己責任で済まされている。これもそれもパチンコ業界が警察機関の天下り先であることや、税収もばかにできない側面があるから。日本からパチンコが無くなることは未来永劫ない。

 

    2018年に北海道がブラックアウトになった際、他の家が停電なのに、パチンコ店が煌々と電気を付けて営業をしていることに批判が殺到した。人の射幸心を煽り、お金儲けの匂いしか感じられないパチンコ店の存在には、はっきり言ってうんざりする気持ちなのである。

 

    パチンコ台で過ごす1日は、ギャンブラーにとっては、得られる収入があれば労働の対価なのだろうが、何万円もスッてしまえば、ただの浪費でしかない。しかも時間も大きな浪費であると気づく人は、ほとんどいないであろう。

    ギャンブルにはほかにも競馬や競輪、宝くじがあるではないかとの反論もあるが、予想という頭を使う競馬や競輪と違い、ただ電子台でピコピコと出玉の行方を追うことに何の生産性もないと感じてしまうのである。

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