笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字821は「例」。定着イベントの代表例はハロウィン

今日の漢字は「例」。例示、用例、慣例、定例、前例。

 

   定着したイベントと定着しなかったイベントがあるが、前者の代表例はハロウィンだろう。

    いつの間にかキリスト教のお祭りが、クリスマスと同じように日本型のイベントとして定着した。誰が始めたのかよくわからないが、人がやっていることがいつの間にか口コミで広がり、「面白そうだ」とか、「自分も参加しよう」となって拡大していった。ハロウィンは秋の風物詩として、必ず渋谷界隈を仮装して練り歩く人々が映し出される。「話題についていきたい」とする流行に敏感な若者が群衆心理のもと、自己表現の一手段としてお祭り感覚で楽しむ。ハロウィンというよりは、大仮装大会の様相を呈している。ただ、あまりに渋谷が派手すぎて、地方でやるハロウィンはかえってしょぼいという地方格差を如実に表しているような気がする。

 

    定着イベント二つ目は関西が発祥の恵方巻。節分に恵方を向いて海苔巻を無言で食べる一地方の風習があれよあれよと言う間に広がった。スーパーやコンビニが需要拡大のビジネスチャンスとばかりに恵方巻を売りまくった。歴史的風習や何もわからない関西以外の方は、「とにかく吉方を向いて食べると運が開ける」との言葉を信じて、節分の夜は多くの人が無言で海苔巻を食べる異様な光景となった。しかもコンビニなどは、大量に恵方巻を発注しすぎて、売れ残った恵方巻を大量に処分するおまけまでついた。ビジネスが行きすぎると大きな失敗を招く事例として、多くの人の記憶に焼き付くことになる。

 

    一方、定着しなかったイベントの代表例は「プレミアムフライデー」。働き方改革で金曜日は早めに仕事を切り上げ、同僚とゆっくり居酒屋でも行ってアフタースリーを楽しもうという提案がなされたが、全く定着しなかった。役所先導というところに胡散臭さがあったことや、毎週金曜日ではなく、月末の金曜日というのがわかりずらかった。しかも15時くらいに退社するのがやはり引け目を感じるサラリーマンが多かったことや、家に早く帰っても逆に煙たがられるという家庭事情などもあり、「結局は仕事だ」として働き方改革の一助とはならなっかった。

 

    最後に記念日。「孫の日」があるのを知ってい人はどれだけいるか。孫の日は10月の第3日曜日。1999年に百貨店協会が定めたようだが、全く定着していない。母の日、父の日、子供の日、成人の日、敬老の日と記念日は多いが、そもそも孫というのが祖母、祖父からの目線。孫がおじいちゃん、おばあちゃんと積極的にコミュニケーションをとるのでがなく、祖父祖母から孫にプレゼントする意味合いが強い。いわゆる商業色が満載。消費者はバカではないから、どういう意図でこの日が定めれているかを理解しているからこそ、業界の思惑に踊らされない賢さを身につけている。老人を敬う「敬老」でもなく、子供の健やかな成長を願う「子供の日」と比べて、どうしても中途半端。しかも祖父母の「甘やかし」という要素がある。

 

    家族の多様な生き方の時代に、昭和の遺産のように、「孫と過ごす祖父母は幸せだ」とステレオタイプに決めつけ、それを商売の種にしようとする浅ましさに、多くの国民はとっくに気づいているのである。

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例題はわかりやすくしてほしい