笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字818は「則」。ブラック校則は無くならない

今日の漢字は「則」。鉄則、罰則、法則、規則、変則、原則。

 

ブラック校則という言葉がある。

    演劇家の鴻上尚史は、自分が中学生の時、あまりに不合理な校則だらけに腹を立て、自ら生徒会長に名乗り出て、校則を変えようと戦ったそうだ。

   地毛が茶色なのに、校則違反として黒く染めようと強制したことに対して差別だとして裁判に訴えた生徒もいるようだが、時代に変化しない、変化させようとせず旧態依然の学校教育には呆れるばかりである。

 

    鴻上氏によると、人生相談に寄せられた話で、ある学校で女性のつけるリボンは白が禁止。なぜ白が禁止かと風紀指導の先生に聞いたところ、「目がチカチカするから」との答えが返ってきたという。論理的に明白な根拠がまったくなく、その先生の主観にすぎない。また、ある学校では女子生徒のストッキングが黒で、ベージュは禁止だった一方、別の学校では黒がNGでベージュがOKと、学校によって規制がバラバラなのも納得いかないと言っていた。

 

   学校側にしてみれば、校則をゆるめると、それによって悪ガキや不良少年少女が増え、それが学校の風紀を乱し、生徒のレベルダウンにつながることを懸念する。しかしこれだけ変化が激しくグローバルな時代で、かつ外国人生徒もこれから加わっていく多様性の時代に、いつまでも明治時代のような規律を頑なに守る意味がわからない。学校はただ単に面倒なことには関わりたくないというのが本音だろう。

 

    私の学生時代を思い返すと、ほとんど校則らしいものは無かった。せいぜい原付きバイクで登校した生徒が停学処分になった程度。制服を着てもいいし、私服でもいいしと、自主性が重んじられていたので、校則の閉塞感は全くなかった。まあ、それも過去の先輩方が不祥事を起こすことはなく、自律精神で学校生活を営んでくれたおかげであり、諸先輩には感謝しなければならないのだが。

 

     だからスカートの丈は膝より下とか、カップルで登下校しないとか、下着は白に限るとか、髪の毛は耳から上のような校則は、もうわけがわからない。青春は短いのだから、そんなくだらないことで規制してほしくない。そんなもん放っといてくれではないか。

 

    これもそれも結局は日本の学校教育の根本は、幼稚園時代から刷り込まれる「皆なと一緒」「人様に迷惑をかけない」「協調性こそ美徳」のマインドコントロールが繰り返されているから。言葉では個性を磨け、多様性の時代だといいながら、個性で組織をかき乱す人間は困ったちゃんなのだ。皆と同じように行動してもらい、学校としては穏便にコントロールしたい。これでは個性的な社会人が育つはずもなく、グローバル人材の輩出では欧米に大きく遅れをとるだろう。

 

    学校教育がやるべきことは、自分で考えて行動し、自律できる大人にどう育てるかである。他人との違いを認識しながら、自分の個性は何か、その個性を生かしてどう社会に貢献していくかを考える大人にどう教育するかだと思う。

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