今日の漢字817は「粘」。粘り強さとは
今日の漢字は「粘」。粘着、粘土、粘液。
「粘り強い」という言葉がある。諦めずに目標にむかって継続し続けること。オリンピックの各競技で選手たちが勝利を目指して粘り強くプレーすることで感動を誘う。マッチポイントを奪われてから大逆転勝利した準々決勝の水谷、伊藤の卓球混合ダブルスなどは、まさに粘り勝ちである。
自分事に立ち返れば、仕事面での粘り強さはない。上役の異論に粘り強く説得するとか、粘り強く相手を説得するという気持ちは弱い。そのような場合は煙に巻かれてしまうから、根性が据わっていない。自分でも情けないと思う。
根がドライなので、面倒なことにパワーを使いたくないのが本音である。あっさりと諦めてしまう性質なので、相手にとってみたら組みし易い人間に見られているのかもしれない。
粘り強いの代名詞は、野球選手で四球をよく選ぶ選手。ツーナッシングと追い込まれても、しぶとくファールで粘り、最後はフォアボールで出塁する。
最近の活躍はめっきり減ってしまったが、日ハムの中島卓也選手は、しぶとく粘って四球を選ぶバッティングで一時期不動のレギュラーだった。水戸市のキャラクター「ねばーる君」とコラボをするなど、一時期粘りの達人と一目置かれていた。しかし四球だけでレギュラー選手で居続けることは厳しい。いつしか2軍暮らしとなっているのは残念である。
粘り強い交渉という点での一番の買い物は、新車を買う時だと思う。カー雑誌で、「私はこれだけ値引きました」の記事が掲載されているが、AさんもBさんもディラーとの駆け引きは凄い。1円でも安くと、ディラー同士で競わせたり、例えばトヨタのノアと日産のエルグランド、ホンダのステップワゴンの類似車を競わせたり、カーナビやドライブレコーダーやアルミホイールなどの付属品を値下げさせたり。最後には納車の際のガソリン満タンまで条件闘争する交渉術には舌を巻く。「定価から○十万も値引きました」との結論に、「やるなー。お主も悪よなー」と讃辞を送ってしまいそうになる。
そんな武勇伝を参考に私も新車を購入する際、いざディーラーと交渉を進めても、口ベタな私には粘り強く交渉するテクニックはない。せいせい、「もうひと声、安くなりませんか」と蚊が鳴くような声で訴えるしかない小心者なのである。
しかし考えてみれば、このブログは不思議と粘り強く続いている。もう1年以上続いているが、2000字を超える常用漢字をエッセイにしたいという壮大な目標があるから続いているような気がする。仕事面では全く粘り強くないのに、趣味に粘り強いというのも、苦笑レベルな天の邪鬼なのである。