笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字811は「通」。テレビ・ラジオ通販は消えない

今日の漢字は「通」。通貨、貫通、通信、交通、通勤、通告。

 

   在宅勤務でラジオを聞く機会が多くなったが、相変わらずラジオショッピングが1日に何回も流れる。健康食品が多いし、たまにドライブレコーダーのPRも流れる。一方、テレビに目を移せば、こちらもジャパネットたかたが定期的に家電製品を売っている。かたやBSチャンネルや早朝のテレビ番組は通販番組が占めている。テレビ通販の番組構成はもう何十年も変わらない。それは商品の特徴を映像でしっかりと見せるとともに、知名度のあるタレントが出てきて「いかにこの商品がすばらしいか」のセールストークで商品のPRをする。知名度のあるタレントに強調されると、何だか効果がありそうで、不思議である。タレントは相応のギャラをもらって提灯記事ならぬ歯の浮く提灯トークをするが、そうだと知っていても、何回同じ商品を刷り込まれると、「ちょっと試してみようか」となってしまう。

 

    これだけインターネット通販が席巻する中においても、テレビやラジオ通販が相変わらず需要あるということは、ネットを使わない高齢者が相当数通販を利用している仮設が成り立つ。ネットは操作できないが、商品は欲しい。だけど電話はできる。電話ができない高齢者は少ないから、通販会社はそのニーズを狙って広告を打つ。特に健康食品の場合は、アンチエイジングや健康維持、長寿と結び付きやすいから、高齢者の購入意欲を刺激する。加えて、仮にネットが操作できたとしても、ネットだと文字情報が多くて、文章を良く読んでもわからない。だけどテレビ映像だと具体的かつ立体的にモノを見るからイメージが湧きやすい。さらに有名人の効果を強調するコメントがずしりと視聴者の胸に響く。

 

     しかし将来戦略を考えた場合、この通販の弱点は電話がメインであること。高齢者は電話が当たり前なのだろうが、自分に立ち返ってみれば、電話でわざわざオペレーターと話をしてまで商品を買いたいとは思わない。ネットでプチっとクリックする方がよほどお手軽。アラ還世代でもこの調子なのだから、40代、50代はもはや「電話で注文」という行動形態はそもそも発生しないだろう。

    そうなるとテレビ、ラジオ通販は衰退するかといっても、そう単純ではない。何といってもテレビ通販の強みは映像で具体化できること。ネットで伝わらないイメージ性を映像と生のコメントでフォローしていく強みは変わらず、電話対応は無くなっても、ネット受付に注文形態をにシフトしていくであろう。

 

    人間の欲を刺激して購買意欲をかきたてるのは、資本主義の常套手段。テレビやラジオ、ネットにあふれる商品情報に刺激を受けるのは仕方がないとしても、映像や有名人のコメントに騙されず、常に冷静に判断して「本当にその商品が必要か」を見極めるリテラシーを身につけることが大事である。

f:id:laughing-egao:20210802220230j:plain

銀行の通帳はいずれ無くなるだろう