笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字808は「腐」。物が腐ることは少なくなった

今日の漢字は「腐」。腐乱、腐臭、防腐剤、陳腐。

 

    腐ったみかんの方程式は、ドラマ金八先生のタイトル。

    箱の中に腐ったみかんが1個でもあると、他のみかんまで影響して腐ってしまう。だからそのみかんは排除しなければならない。不良少年も同じで、放っておくと周りの生徒まで不良になってしまう。だから転向させて、その学校を守るという発想である。

    ドラマでは金八先生が、「我々は機械やみかんを作っているのではない。人間を作っているのだ」と啖呵を切る。不良少年を排除するのは簡単だが、更生させることこそ教育の本懐という金八先生の言葉は、妙に記憶に残っている。

 

    冬の時期のスーパーでは、箱詰めされたみかんが店頭に並ぶ。以前はしっかり箱に封がされていて、中を見ることはできなかったが、最近のみかん箱は、開いていて中が見える。そして腐ったみかんが中にある場合は、店員を読んできて、中のみかんの交換を申し出る。店員は腐ったみかんを中から取り出し、代わりに別の箱から新鮮なみかんを補充して客に渡す。店員はお客がみかんを買うたびごとに客から呼び出されるから大変だが、以前のように腐ったみかんも入ったまま客が買い、あとから苦情の種になっても困るし、「あそこのスーパーは腐ったみかんを平気で売る」との評判が立っても困るので、これが最善の対応方法なのだろう。私からしてみたら1、2個くらい腐ったみかんが入っているのは想定の範囲内だが、それこそも許さない消費者が増えたことの現れなのかもしれない。

 

   最近は食料保存技術の進歩なのか、冷蔵技術が進歩したのかはわからないが、「ものが腐る」経験が少なくなったような気がする。ただ、単身赴任していた時は、冷蔵庫の奥にものがあることを気づかず、腐らせてしまったことは多々ある。

    今、実家で過ごす分には、妻が割としっかり食料管理しているので、ものを腐らせることはない。その肝は、冷蔵庫に無駄に多くのものを詰め込まないこと。要するに我が家の冷蔵庫はいつもスカスカで、どこに何があるか一目瞭然。大体1週間に1回大きな買い物をして、基本1週間で使い切る戦略としている。だから何日も食べ残したり、買ってきたけど食べないまま放置している食料がない。金曜日の我が家の冷蔵庫は本当にスカスカ逆に物があると腐らせる心配もあるから、この戦略は効率的でいいと思う。

 

    食べ物に限らず、いろいろな物を大事にしようという機運が大いに高まるなか、食べ物を腐らせて捨てることは良心が痛む。滅多に腐った物を捨てることはないが、私は食べ物を捨てるシチュエーションに至った際は、脳裏に農業や漁業の生産者のことが思い起こされて心が痛む。そんな良心に苛まれないよう、食べ物は大事にしたいと思っている。

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腐心という言葉は好きだ