笑顔漢字日記

全ての漢字を笑顔にしたい。そんな思いで常用漢字2136文字を目標にエッセイを書く無謀な北海道在住のアラ還オヤジ

今日の漢字802は「渡」。橋を渡るとワクワクする

今日の漢字は「渡」。渡来、渡米、譲渡、過渡期、渡部篤郎

 

    人の住む所で川のあるところ必ず橋がある。昔から地理が好きなので、本州方面などに旅行し、電車やレンタカーで河川を橋で渡る瞬間、「一級河川○○川」との表記があると「おーこれが有名な○○川か」と一人悦に入っていたものだ。

 

   2年前に浜松に旅行し、その折返し、静岡に移動する際に乗った鈍行電車の中から大井川を見てた時は感動した。大井川は江戸時代は東海道の要衝であり、当時は軍事上の問題から橋はかかっておらず、人力で旅人を運んだから、さぞかし大きな川だろうと想像していた。案の定、電車が橋を渡り終えるのに何秒もかかっていた。

    我々は普段から当然のように橋を通行しているが、橋がなければ対岸に渡るのは大変だという認識が今ひとつ薄い。だから目的地がすぐ対岸なのに、橋がなく、大回りしていかねばならないと思うと、その時に初めて橋の有り難みがわかる。橋がなければ、それこそ渡し船でもないと行き着けないのだ。北海道人はあまり馴染みがないが、瀬戸内海に点在する島に住んでいる人にとってみれば、橋で隣の島とつながることは感動ものではなかろうか。船だと時間の制約もあるし、ましてや泳いでいける代物ではない。それが車や自転車で数分で渡れてしまうのだから、橋の恩恵を大いに感じているのではなかろうか。

 

    学生の頃、岡山から四国に渡った時、まだ瀬戸大橋が建設中で、当時は宇高連絡船という国鉄の船で四国に渡った。建設中の橋を見ながら船でトコトコと移動するのはのどかな光景であったが、今は瀬戸大橋であっという間に本州と四国を往復できる。

 

    しまなみ街道は、サイクリストの聖地として、国内外から多くのサイクリストが集う。彼らの目的は、しまなみ街道をサイクリングすること。島と島を結ぶ橋には自転車専用道路が併設されていて、サイクリストはストレスなくサイクリングができる。瀬戸内海の絶景を堪能しながらサイクリングができるのも、橋のおかげなのである。

 

    ところである人の指摘によると、多くの橋は高度経済成長期に作られ、かなり耐用年数が経っている橋もあるのだとか。耐震診断は各自治体が地道に行っていて、補修は都度されているのだろうが、地震大国日本にあっては、知らず知らずのうちにガタがきている可能性も否定できない。

     国土交通省によると、全国の橋梁数は70万箇所。そしてそのうち50年以上経過した橋が全体の18%のおよそ10万箇所あるという。

   もしコンクリートの劣化が原因で橋が崩落しようものなら、多くの人命を奪う危険性があるから、橋の適度な補修は必至である。公共事業費削減で老体の橋が突然崩落することのないよう、計画的な補修をしてほしいものである。

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渡る世間は鬼ばかり